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電子カルテ 医師 事務長 2023.08.09 公開

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電子カルテとレセコンの違いは?連携メリットや一体型システムについて

医療現場での業務を効率化する「電子カルテ」と「レセコン(レセプトコンピュータ)」。いまでは多くの医療機関が導入しています。今回は、電子カルテとレセコンの特徴や違いについて、そして連携するメリットやポイントをわかりやすく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #機器選定ポイント #業務効率化 #紙カルテの電子化 #システム入替

目次

電子カルテとは?

電子カルテとレセコンの違いは?連携メリットや一体型システムについて

まず初めに、電子カルテが何か確認しましょう。電子カルテとは、以前は紙ベースで使用していたカルテを電子的なデータとして保存・管理できるものを言います。紙のカルテでは、患者の数が増え診療回数が増えるほどカルテの量も増大し、保管や収納スペースが必要となります。さらに、そこから必要な情報を探し出すことが大変になります。しかし電子カルテでは膨大な量のカルテをコンピューターやクラウド上に保管でき、必要な情報を検索して簡単に呼び出すことが可能です。
さらに電子カルテを、会計システムやオーダリングシステム、臨床検査システムなどとオンラインで連携させることができ、院内でのさまざまな作業を効率化できるのです。現在は新規開業する医療機関のほとんどが電子カルテを導入していると言われ、将来的には地域包括システムとの連携で活用されていくと考えられています。

電子カルテに関して詳しく知りたい方はこちら

レセコン(レセプトコンピュータ)とは?

次に、レセコンについて確認しましょう。レセコンとは、レセプトコンピューターのことで、医事コンピューターと呼ばれることもあります。医療機関が健康保険組合などの機関に対して、診療報酬を請求する「レセプト(診療報酬明細書)」の作成を行うコンピューターシステムです。健康保険組合などは医療機関からレセプトを受けとると、保険診療や診療報酬点数などのチェックを行い、適正であれば診療報酬の支払いが行われます。
今では、病院、診療所、調剤薬局でのレセプトコンピューターの普及率は96%にものぼり、電子レセプトを導入している医療機関や薬局は94%(厚生労働省「レセプト請求状況」平成31年3月診療分より)と、ほとんどの機関で広く利用されています。
また、レセコンは、請求関連情報を分析して経営状況に関するレポートを作成する機能付きのものもあり、医療機関の経営分析に活かすことができます。注意事項として、多数の患者の個人情報を取り扱うことから、セキュリティ面のしっかりしたシステムが求められることがあります。

レセコンに関して詳しく知りたい方はこちら

レセコンの役割とメリット

レセコンの導入によってできることやメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 保険点数の自動計算によって事務作業の時間を削減できる
  • 診療内容や記入データの点検ができる
  • 電子カルテと連携することで算定ミスなどのヒューマンエラーを予防できる
  • データを応用して経営分析をすることができる(一部のレセコンで可能)
  • 業務の効率を上げることで人的なコスト削減にもつながる

電子カルテとレセコンの違い

では、電子カルテとレセコンでどんな違いがあるのでしょうか?

目的の違い

電子カルテとレセコンでは、使用目的が異なります。電子カルテは、診療内容などの医療情報をコンピューターに入力して、電子データとして管理、保存することが目的です。複数の診療部門で同じ患者を診療するとき、紙のカルテでは1枚のカルテを各部署で同時に確認することはできませんが、電子カルテなら複数の部署で同時に確認ができます。それに紙のカルテでは、転記ミスが起きたり、記入された字を読むのにスタッフが苦労することがあるかもしれませんが、電子カルテではそのようなことを防げます。
一方、レセコンの目的は、診療報酬の請求業務を行うこと。医療機関の会計情報を管理し、正しく関係機関へ請求するためのシステムです。医療機関の大半の収入が、レセプトの作成で得られるものであり、医療機関の経営にとって非常に大切なプロセスとなります。

使用者にとっての違い

電子カルテとレセコンは、扱う人にも違いがあります。電子カルテは診療内容を記載するためのものなので、利用する人は医師が中心となります。また入退院の記録や入院時の看護記録など、看護師が入力を行うこともあり、このような診療に関する情報を医師や検査技師、薬剤師などが確認します。そのため、電子カルテのシステム開発には医師が関わっていることが多くあります。
これに対して、レセコンは医師ではなく、会計情報を管理する医療事務担当者や会計士が使用します。このように電子カルテとレセコンでは、使用する目的と扱う人が異なります。

電子カルテとレセコンの連携メリット

電子カルテとレセコンは、まったく別のものということがご理解いただけたでしょう。しかし電子カルテとレセコンを連携させることで、さまざまなメリットが生まれます。作業の効率やミス防止の点でも、連携はとても効果的です。

イメージ

受付から診療・会計まで一元管理できる

診療記録を管理する電子カルテと、診療内容に応じた診療報酬情報を管理するレセコンを連携させることで、患者が医療機関を訪れて受付を行ってから、医師による診療、会計までの一連の流れを一元管理できるようになります。一人の患者さんに関わる診療情報から、それに基づいた診療報酬情報までをひとつのシステムで管理できることになります。

レセプト作成の効率化

レセプトを作成する際、医師が作成したカルテをもとに、さまざまな情報を入力します。しかし電子カルテとレセプトを連携すれば、この入力作業が不要となり、請求書作成までの手間と時間を短縮することができます。

業務の負担軽減

電子カルテとレセコンを連携すると、新患の登録や会計作業など、ひとつひとつの作業がスムーズになり、日々の業務の負担が軽減できます。これにより、患者を待たせる時間を短縮できたり、職場内の労働環境の改善に繋がったりすることが期待できます。

入力ミスの防止

人間による入力作業には、打ち間違いのようなヒューマンエラーが生じることがあります。しかし、レセプト作成時のカルテ情報の入力作業が省略できれば、入力ミスを防ぐことができます。入力間違いを防ぐため、人によるチェック作業が行われますが、とても時間がかかります。もし電子カルテやレセコンにチェック機能が備わっていれば、自動的にケアレスミスなどを見つけ、早い段階でそれを修正することが可能です。
さらに電子カルテとレセコンを別々に運用していた場合、入力情報になんらかの修正や変更事項があったり、診療報酬や薬価の改定などがあったりしたとき、両方のデータを編集する必要があり、ミスが発生するリスクが高くなって手間も2倍となります。しかし、電子カルテとレセコンを連携していれば、1つのデータ変更だけで済みます。

電子カルテとレセコンの連携デメリット

電子カルテとレセコンの連携には多くのメリットがある反面、システムに不具合が生じるとどちらも作動しなくなる障害が発生する可能性があります。電子カルテとレセコンの双方が使用できなくなると診療に大きな支障が生じるでしょう。

このようなデメリットを最小限に抑えるためには、各システムのデータのバックアップを小まめに残し、システムがダウンした場合でも別のデバイスから確認できるようにしておく必要があります。また、ネットワークや電気系統の障害に対しては、別の方法で一時的にシステムを利用できるような仕組み作りをしておくと安心です。

事前にしっかりと対策をしておくことで電子カルテとレセコンの連携によるデメリットを最小限に抑えることができます。上述したように連携は大きなメリットがありますので、デメリットへの対策を講じながらうまく使いこなすようにしましょう。

おすすめの電子カルテ・レセプト一体型システム

近年では、電子カルテとレセコンをそれぞれ別のシステムで連携するのではなく、すでに一体化されているシステムも販売されています。最後に、電子カルテとレセコンが一体化しているシステムをご紹介しますので、参考にしてください。

クリニック向け医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf Hybrid Cloud」

Medicom-HRf Hybrid Cloudは、院内のパソコンだけでなくタブレットなどのデバイスを用いて、自宅や往診先からもカルテが利用できるシステムです。タブレットなどで撮影した画像を即時的に取り込むことによって、カルテの管理を簡便化することができます。また、約170社との多様な機器連携をしているため診療の可能性を広げることができ、標準搭載されているレセプトチェックやアシスト機能によって、リアルタイムでカルテ記載と算定をチェックすることが可能です。

さらに、もしものときにも安心のデータバックアップやセキュリティ対策も豊富で、ネットワークや電気系統に障害を生じたときも、クラウドサーバーに瞬時に切り替え、業務を続けることができます。電子カルテとレセコンの連携におけるデメリットにもしっかり対応しているため、多くの医療機関で使用されています。

Medicom-HRf Hybrid Cloudについて、詳しくはこちら

病院向け医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HSf」

Medicom-HSfは、カルテを電子化し、部門への指示は従来通り紙の指示箋で運用するシステムです。業務の流れに大きな変更が生じないため、スムーズな電子カルテの導入を可能にしてくれます。また、電子カルテとレセコンが一体化しており、医薬品や診療行為などのマスターを一元管理しているため、法令改正時などのメンテナンスもスムーズに行えます。

このシステムでは、レセプト病名の記入漏れだけではなく投与量や投与期間、年齢などもチェックできるため、厳格なレセプト審査にも対応可能です。また、入力された情報から会計を自動算定できるためコスト削減とヒューマンエラーの軽減につながります。

電子カルテとレセコン連携のデメリット対策としては、クラウド上にデータをバックアップする仕組みが備わっているため、災害時などにはクラウドサーバーに切り替えて使用することができるのもうれしいポイントです。

Medicom-HSfについて、詳しくはこちら

電子カルテとレセコンの連携で、効率がさらにアップ

電子カルテとレセコンには、使われる目的と扱う人に違いがあることをおわかり頂けたでしょう。診療情報の管理のためなら電子カルテを、請求情報の管理にはレセコンを導入する必要があるでしょう。しかし電子カルテとレセコンは、連携させることでさまざまな業務の効率化やミスの防止などに繋がります。さらなる業務改善を目指して、これらの導入や連携について検討してみてはいかがでしょうか。

商品紹介

監修者情報

松永 錦弥

PHC株式会社 メディコム事業部 プロダクトマネジメント部 医科プロダクト課 課長

神奈川県出身、群馬大学大学院にて情報工学専攻。
約7年間レセコン等のシステム開発を担当後、医療機関・保険薬局向け医療ITシステムの商品企画に従事。
現在は電子カルテ・レセコン等の医療機関向けITシステムの責任者として、よりお客様に寄り添う商品の企画・開発に取り組んでいる。

※PHC株式会社メディコム事業部は、2023年4月1日よりウィーメックス株式会社として事業を開始しています。

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