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クリニック・薬局経営コラム

事前準備が重要!薬局経営を左右する地域支援体制加算

 調剤基本料の加算である「地域支援体制加算」は、薬局経営を左右する重要な加算となります。2018年度調剤報酬改定でそれまでの「基準調剤加算」が廃止されました。そして、新たに「地域支援体制加算」として新設されたものです。2020年度改定では、35点から38点に増額され、併せて実績要件も見直されました。今回は、地域支援体制加算の概要と算定するためのポイントをわかりやすく解説していきます。

地域支援体制加算とは薬局の何を評価するのか

 地域支援体制加算は、2018年度改定で新設されました。それまでの基準調剤加算は主として薬局の体制整備を評価するものでした。しかし、「地域医療にしっかり貢献しているという加算を取るのであれば、しっかりとした実績を示すべき。」という厚労省の意向が強く反映されています。そのため“どんな医療提供をおこなっているのか”について、実績を多く求められる算定要件となっています。
 かかりつけ薬剤師による適切な薬学的管理の提供はもちろん、在宅医療などあらゆる処方箋に対応する体制、安全性向上に対する取り組みなど、地域医療に貢献する薬局を実績に基づいて評価する点数である事を理解する事が大切です。

地域支援体制加算の実績要件について(調剤基本料1の場合)

 今回は、独立開業をした直後の多くの薬局が該当する、調剤基本料1を算定する場合の算定要件について解説します。

 以下の基準のうち1〜3を満たした上で、4または5を満たすこと

項目 要件 条件
1 麻薬小売店業の免許を受けていること 必須
2 在宅患者薬剤管理(医療・介護)の算定回数 年12回以上(薬局あたり) ※1
3 かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)の届出を行っていること
4 服薬情報等提供料の算定回数 年12回以上(薬局あたり) ※2 いずれか
5 認定薬剤師が地域の他職種と連携する会議に出席 年1回以上(薬局あたり)

※1 在宅協力薬局として実施した場合(同一グループ内は除く)や同等の業務を行った場合を含む。
※2 服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務を行った場合を含めることができる。

全薬局の共通要件

 調剤基本料1の薬局も、調剤基本料1以外の薬局も、以下のすべての要件を満たすことが必須となります。

項目
1 保険調剤に係る医薬品として1200品目以上の医薬品の備蓄
2 当該薬局のみで(または近隣の薬局と連携して)24時間調剤および在宅業務に対応できる体制
3 初回処方箋受付時に患者またはその家族に連絡先等情報を説明・文書にて交付・薬局の外側に掲示
4 24時間調剤・在宅業務に対応できる体制の周知
5 患者ごとの薬歴の記録、薬学的管理、必要事項の記入、必要な指導
6 平日は1日8時間以上の開局、土日いずれかに一定時間以上の開局、週45時間以上の開局(祝日および1月2〜3日、12月29〜31日が含まれる週以外の週の開局時間で要件を満たすか否か判断する)
7 管理薬剤師は以下の要件をすべて満たす
・保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験
・週32時間以上勤務
・当該保険薬局に継続して1年以上在籍
8 在宅患者訪問薬剤管理指導の届出・体制整備・周知
9 調剤従事者等の資質向上(定期的な研修の実施、学会への定期的な参加・発表)
10 医薬品安全情報への対応(PMDAメディナビに登録)
11 医薬品情報の提供体制の確保
12 患者のプライバシーへの配慮(パーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど)
13 一般用医薬品(OTC)の販売
14 地域住民の生活習慣の改善、疾病予防に資する取り組み
15 健康相談または健康教室を行っている旨を薬局の内外に掲示・周知
16 医療材料および衛生材料の供給体制
17 在宅療養の支援に係る診療所・病院・訪問看護ステーションとの円滑な連携
18 ケアマネージャー・社会福祉士等の他の保健医療サービス・福祉サービスとの連携
19 薬局機能情報提供制度において、「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」として直近1年以内に報告していること
20 副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を構築
21 処方箋集中率が85%超の場合は、後発医薬品の使用数量の割合が50%以上であること

算定要件を理解するための重要ポイント3つ

1)管理薬剤師には以下の条件が求められる

  • ・保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験
  • ・当該保険薬局に継続して1年以上在籍

 新設の場合はもちろん、M&A(事業譲渡)で薬局を引き継いだ場合において、少なくとも1年間は算定ができません。

2)プレアボイド事例の把握・収集に関する取組には、前年末までの「実績報告」が必須

 前年の1年間(1月1日~12月31日)に、プレアボイド事例を「報告」している必要があります。厚生局へ許認可申請を行う際に、追加資料として報告内容の提出を求められることもあります。前年度の実績が必要となる内容なので、注意が必要です。最悪の場合、1月1日にその他の要件を満たしたとしても翌年の1月1日まで算定ができないという事態になります。

3)外来患者さんを待つ姿勢では難しい

 地域支援体制加算は多職種連携が基本になっているため、他職種からのアプローチを待つのではなく、薬局側から積極的に働きかけることがポイントとなります。病院であれば、まず薬剤部と連携して信頼を醸成し、退院時カンファレンスに呼んでもらうなどの働きかけが必要です。

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