薬局独立開業のために必要な初期費用について
独立開業を目指すには、資金が必要不可欠です。今回は、独立時に必要な初期費用について解説していきます。
M&A(事業承継)で開業する場合
M&A(事業承継)での開業で必要な初期費用は、大きく分けると以下の項目があります。
- ・営業権
- ・固定資産
- ・薬品在庫
- ・賃貸借の敷金(保証金)
- ・仲介手数料(仲介会社を通す場合に発生)
- ・運転資金
- ・その他
各項目で注意が必要な点について、簡単に解説していきます。
初期費用に関する注意点とは
営業権とは、いわゆる「のれん代」と呼ばれるもので、薬局が利益を上げる力を表した価格です。
固定資産は、土地や建物、レセコンなどの機械類、調剤台などです。一般的には、不動産以外は、譲渡譲受の時点での簿価(帳簿上の価格)で買取りをします。
薬品在庫については、譲渡譲受の前月末に、売手様・買手様同席にて棚卸を行い数量の決定をします。薬価の〇%や、納入価格など、双方で交渉を行ったうえで決定します。
薬局事業においての敷金(保証金)は、物件によって条件が大きく異なります。請求されないという所もあれば、12か月分という所もあるため確認が必要です。
薬局経営の場合、運転資金は要注意です。調剤薬局の保険収入は2カ月遅れで入金されるため、店舗にかかる人件費や、その他経費、自身の生活費などの確保が必要です。また、最近では医薬品購入費の支払いが当月や翌月での契約を求められる場合も多いため、その分も加味して運転資金は余裕を持っておくことをおススメします。
調剤薬局営業権の「相場」は
営業権は薬局の将来性や経営する上でのリスクを考慮し、今後の経営状況を予測した上で価格を算出します。一般的には営業利益の3~5年が相場となっていますが、決まった金額はなく、最終的に「売手と買手が納得した金額」が営業権となります。
その金額を決定する際、ポイントになるのが「営業利益」の算出方法です。薬局によっては、人材過多により赤字経営になっているケースもあります。その場合は、人件費等の経費を適正金額に修正した営業利益(=EBITDA)をもとに計算されることもあります。
初期費用の資金調達方法について
いくら初期費用として用意しなくてはならないかというと、実際はケースバイケースです。当たり前ですが高収益率の薬局案件の場合、取得金額も高額になりますし、その後の運用経費も大きくなります。そのため、数百万円の初期費用で開業した人もいれば、5000万近くかかる場合もあります。
ほとんどの場合は、これらの費用を自己資金のみでまかなうのではなく、自己資金+融資、という形で調達を行います。創業時の融資には、創業に至るまでの経緯や想い、そして自己資金の金額が大きく関わります。独立開業を目指すのであれば、今から準備をしておくことをおススメします。
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