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企業健康経営 人事・総務 コメディカル 2024.11.22 公開

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【津下先生解説】保健指導スキル向上や実施体制の改善に必要な〇〇とは vol.12

第4期特定健診・特定保健指導制度が2024年4月から開始されました。ウィーメックスは指導品質の向上のためのセミナーを開催し、第1期より厚生労働省等の検討会委員を務めている女子栄養大学特任教授の津下一代先生に解説いただきました。本コラムでは、講演内容のポイントをさらに詳しく解説いただき、連載でお届けいたします。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

Q1. 実績評価後に振り返るべき項目について教えてください。

【津下先生解説】保健指導スキル向上や実施体制の改善に必要な〇〇とは vol.12

A. 特定保健指導積極的支援の実績評価では、初回面接にから3か月以上の継続的な支援を終了後に、行動目標が達成されているか、身体状況(体重・腹囲)や生活習慣に変化が見られたかについて評価します。

振り返りのポイントは、
①行動目標は本人が取り組みやすい内容であったか
②取組によって、歩数等の記録や体重などの健康状態などに変化がみられたか
③自己評価できるような具体的な目標であったか
などを確認するとよいでしょう。「〇〇するようにする」などのあいまいな目標の場合には、本人自身が変化を評価しにくいことに留意が必要です。

また、保健指導を実施した対象者全体では、どのくらいの割合で体重・腹囲の目標を達成できたか、行動目標を達成できたかを確認し、保健指導の効果評価の目安とするとよいでしょう。

Q2. 振り返りを行なうためにいろんなデータのとり方があると思いますが、指導に役立てていくために分析していくと良い項目などありましたら先生のご見解を伺いたいです。

A. 「本人の意識の変化」→「行動の変化」→「健康状態の変化」、のプロセスに沿って見ていくこと、実績評価だけでなく経過に注目することが大切です。

しばらくは実行できていても途中で挫折してしまう場合がありますね。意識と行動の変化が一時的にはあったとしても、健康状態の改善までには至らなかった場合、その目標が不適切だったというよりは、継続支援の在り方の工夫が必要だったということになります。一方、全く実施しなかったのであれば、本人の生活や考えをもっと聞いたうえで、目標設定につなげるべきだったといえるでしょう。

今後の保健指導に役立てるという観点では、性・年代・肥満度・職業などの属性別に、どのような行動目標を立てたのか、それぞれの達成率はどうか、行動目標を達成した時に体重・腹囲の変化がみられているのか、の視点で分析してはいかがでしょうか。属性等によって実施しやすい目標が違うことがわかると思います。これからの初回面接に役立つ情報が得られるでしょう。

Q3. PDCAサイクルのAやPに繋げていくために、集計結果や分析結果をどのように活かしていくとよいかアドバイスいただきたいです。

A. 2㎝2㎏の減量達成や行動目標の達成を、保健指導者なら誰しも願っていることだとは思いますが、すべての人にそのような効果を期待することは難しいと思います。

しかしあきらめてしまったり、“対象者のせい“と言い訳に逃げ込んでしまっても、保健指導の改善にはつながりません。実績評価から、どのような支援が良かったのか、支援に改善の余地はなかったのかを振り返りつつ、スキル向上や保健指導実施体制の改善につなげることに役立ててください。

打率10割のバッターはいませんが、繰り返しのトレーニングによるスキル強化や弱点克服、ピッチャーの分析に基づく対策により、打率をあげるように努力しています。保健指導者においても、実績評価をマイナスととらえず、どのように高めていくのか、前向きにチャレンジするための指標としてとらえてみてはいかがでしょうか。

▽前回のコラムをご覧になりたい方はこちら
https://www.phchd.com/jp/medicom/park/idea/healthmanage-point-11
▽関連資料
「チームで指導力を高める『スキル標準化の仕組みの作り方』」
https://go.medicom.phchd.com/wellsportstep_seminar_material_202407(PDF)

筆者情報

津下 一代

津下 一代(つした かずよ) 様

女子栄養大学 特任教授

名古屋大学医学部医学科を卒業後、国立名古屋病院内科、名古屋大学第一内科での臨床・研究活動を経て、平成4年愛知県総合保健センターに勤務。
12年あいち健康の森健康科学総合センター、23年より同センター長兼あいち介護予防支援センター長に就任。令和2年より女子栄養大学特任教授として活躍。

健康日本21(第三次)推進専門委員会、健診・保健指導の在り方に関する検討会などの厚生労働省等の委員、健康・医療新産業協議会・健康投資WGなどの経済産業省の委員を務めるなど、多方面で活躍。

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