PHC株式会社

診療科別電子カルテを活用したデジタル化のポイント『皮膚科・整形外科・精神科 編』

目次

皮膚科は、部位の確認から処置へ

 皮膚科クリニックの場合、患者が比較的多く、処置が多いのが特徴です。最近では美容(自由診療)に取り組むクリニックも増えており、医師と処置や施術を担当する看護師の役割分担をどう行うかがカギとなります。例えば、皮膚の湿疹であれば、部位を確認し、検査等で原因を探り、塗り薬を処方し、軟膏処置などを行うことになります。 この流れを電子カルテ中心にシステムを組み合わせて構築することになります。皮膚科クリニックのシステム化は、①電子カルテ、②来院管理(保険・美容)の2点を考える必要があります。

① 電子カルテの活用

 皮膚科では、電子カルテの入力スピードをいかに向上させるかを考える必要があります。スピードアップの秘訣は、「セット化」と「クラーク運用」にあります。前者は電子カルテ操作の「省力化」を意味し、後者は電子カルテ操作の「業務分散」を意味しています。
「セット化」については、所見、検査、処置、処方、そして病名のすべてをセット化することで、入力の手間を大幅に削減することが可能です。「クラーク運用」については、まず医師とクラークの役割分担を行います。どの入力を医師が行い、クラークは何を担うかを決めます。これをあらかじめ決めておくことで、医師とクラークの連携がスムーズに進みます。

② 来院管理(保険と美容)

 皮膚科は比較的、待合室が混雑しやすく、待ち時間も長くなりがちです。そこで、多くの診療所では「順番管理システム」が導入されています。また、「美容」など自費診療を行っている場合は、「時間管理」の予約システムを導入し、保険診療と自費診療(美容)を分けて、来院管理を行うこともよく見られます。保険診療と自費診療の流れをしっかり確認し、システム構築を図ると良いでしょう。

整形外科は、診察・リハビリのバランス

 整形外科クリニックの場合、高齢の患者が多く、診察後に注射や物理療法、運動器リハビリを組み合わせるのが特徴です。例えば、肩の痛みを訴える患者であれば、肩のレントゲンを撮影し、画像をもとに治療方針を決め、注射や処方で痛みを軽減し、リハビリが必要であれば、リハビリ部門と連携して治療を行うことになります。
この流れを電子カルテ中心にシステムを組み合わせて構築することになります。整形外科クリニックのシステム化は、①電子カルテ、②検査画像管理、③来院管理、④リハビリの4点を考える必要があります。

① 電子カルテの活用

 整形外科は、医師と放射線技師、看護師が相互に連携し、素早くカルテに情報を反映し、情報共有を行うことが大切です。全スタッフが電子カルテの入力、閲覧を行い、情報の源泉は電子カルテであるという意識づけが必要になります。
カルテ作成を効率化するための「セット化」については、所見、検査(画像)、処置、処方、そして病名などをセット化することで、入力の手間を大幅に削減することが可能です。セットについては、最初に頻出する疾患をいくつかセット化しておき、後から追加・変更を繰り返すことで、より良いセットが作られます。また、セットは覚えやすいような名称を付けるとともに、配置についても、疾患ごとに区別して配置しておくと探しやすくなります。

② 検査画像管理

 整形外科の場合、レントゲン撮影や、超音波検査、骨密度の検査、検体検査などが行われます。システム化のポイントは、画像と検査結果の取り込みにあります。レントゲンなどの画像は「画像ファイリングシステム」にまとめ、検体検査を電子カルテで管理するというのが一般的な運用方法です。

③ 来院管理

 整形外科は、定期的な受診が必要で、定期的な診療を促すため、「予約システム」を導入する場合が多くみられます。基本は「順番管理システム」を導入し、運動療法や手術については、時間で管理する「時間予約システム」を併用しているケースもあります。予約システム並びに順番管理システムは、Webから簡単な操作で予約・発番、進行状況の確認が可能で、自分の予約時間、あるいは順番が近づいてから、クリニックに向かうという受診行動が促されます。その結果、待合室で長時間患者が滞留することがなくなります。

④ リハビリ管理

 リハビリは、機器を利用する「物理療法」、セラピストが行う「運動療法」があります。リハビリは、医師の指示に基づき、セラピストが実施、その後カルテへ記録するといった流れで行われるため、その流れを整理して管理することが大切です。診療とリハビリの2つの部門それぞれのカルテの関係性をしっかり整理して構築することが重要です。

精神科は、初診の時間をいかに捻出するか

 精神科クリニックの場合、診察時間が長くカルテ記載量が多いため、いかにカルテをしっかり書くための電子カルテの準備ができるかが重要です。例えば、うつ症状を訴える患者であれば、問診をもとに診察し、定期処方や時には心理検査、カウンセリングを行うことになります。
 この流れを電子カルテ中心にシステムを組み合わせて構築することになります。精神科クリニックのシステム化は、①電子カルテ、②検査管理、③予約管理の3点を考える必要があります。

① 電子カルテの活用

 精神科は、カルテの記載をパターン化することに向いていないように感じます。実際、パターン化できる部分とパターン化できない部分が存在します。基本的に誰にも聞く項目と、症状によって聞く項目に分けてパターンを考えて、それを整理してテンプレート化することが大切です。
 セットについては、最初に頻出する疾患別にいくつかセット化しておき、後から追加・変更を繰り返すことで、より良いセットが作られていきます。また、セットは医師やクラークが覚えやすいように名称を付けるとともに、配置についても、疾患ごとにまとめて配置しておくと探しやすくなります。
 医師のカルテ作成をサポートする「クラーク」については、症状から薬や検査が類推できるように、役割分担、カルテの最終イメージの共有を図ります。また、精神科は医師以外にスタッフがいることを患者が好まないことも多く、席の配置や服装、キーボードの入力音などに最善の注意を払う必要があります。

② 検査管理

 精神科の「検査」は、心理検査、血液検査、心電図などが考えられます。システム化のポイントは、検査結果の取り込みにあります。精神科では検査結果は電子カルテですべて管理するというのが一般的な運用方法です。しかしながら、心理検査については、紙の検査結果をスキャナーなどで取り込む必要があり、これらのスキャンデータが増えるとデータ容量が大きくなり、スピードに影響しますから、必要なものを選んで取り込む工夫が必要でしょう。

③ 予約管理

 精神科は、「時間」で管理することが一般的で、継続的な診察が必要となるために、「次回の予約」を効率的にとることが大切です。また、初診と再診では診察時間が大きく異なるために、初診枠の確保が大切。再診の合間にいかに初診枠が設けられるかが、患者の増加に大きく影響します。また、患者との予約調整については、診察室内でとるか、診察室外(受付・問診室)でとるかを検討する必要があります。

著者情報

MICTコンサルティング(株) 代表取締役 大西大輔
2001年一橋大学大学院MBAコース卒業。同年、日本経営入社。2002年に医療IT製品の常設総合展示場「メディプラザ」を立上げ、IT導入コンサルティング、システム選定アドバイス、研修事業等を担当。2016年にMICTコンサルティング(株)を設立。多くの医療機関の導入サポートや取材経験より団体などでの講演や執筆多数。

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