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電子薬歴 薬剤師 薬局経営者 2023.04.27 公開

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服薬アドヒアランスとは?重要性とアドヒアランス不良に陥る理由、コンプライアンスとの違いを解説

「服薬アドヒアランスとはどのような意味なの?」「コンプライアンスとは何が違うの?」このようなお悩みを抱えていませんか。今回は、服薬アドヒアランスとはそもそもどのような意味を持つものなのか、コンプライアンスとの違いは何かについて詳しく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

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目次

服薬アドヒアランスとは

服薬アドヒアランスとは、患者さんが自分の病気についてきちんと受け止め、積極的に治療に参加することです。内閣府の調査によると、2021年10月1日時点で総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は31.8%となっています。

このように高齢化が進む日本で治療を円滑に進めるためには、患者さん自身が積極的に治療に参加できる環境を作らなければなりません。そこで大切なのが、服薬アドヒアランスです。

アドヒアランスとコンプライアンスの違い

コンプライアンスとは、患者さんが医師の指示に従ってきちんと服薬できているかどうかを表すものです。
アドヒアランスは患者さんが能動的に治療に参加することを示しますが、コンプライアンスは受動的な参加を示すものとなります。

アドヒアランス不良に陥る原因

患者さんがアドヒアランス不良に陥る主な原因には、次の3つが挙げられます。

薬が正しく服用されていない

患者さんが薬を飲む必要性を感じていない場合、用法用量通りに正しく服用してもらうことはとても困難です。特に自覚症状に乏しい疾患の治療をしている方では、服用がおろそかになるケースもよく見られます。

「自分は大した病気ではない」「服用しなくても問題はない」といった意識が少しでもある場合、服薬アドヒアランスは簡単に低下してしまうでしょう。

複数の薬が処方されている

処方されている薬の種類が増えると、しっかり服用しようと思っていてもうっかり飲み間違えてしまったり、飲むのが面倒になったりすることがあります。多剤併用することで好ましくない有害事象に発展することもあるでしょう。意図せず服薬ミスが起きたり副作用が生じたりすることで服薬アドヒアランス不良につながることがあります。

飲み忘れてしまう

飲み忘れも服薬アドヒアランス不良を招く原因です。薬の種類が多かったり、ライフスタイルに合わない用法で処方されていたりする場合、どうしても飲み忘れてしまいます。

うっかり飲み忘れてしまうこともあれば、治療に対する意識が薄いことで飲み忘れるケースもあるでしょう。服薬の必要性が実感できず、飲む気にならないという方もいます。

また、認知症により服薬管理が困難になり飲み忘れてしまう方も少なくありません。認知症になると薬を飲む必要性が理解できなくなったり、不要な薬を飲まされていると感じたりすることがあるため、服薬アドヒアランスが低下してしまうのです。

アドヒアランス不良だとどうなるのか

アドヒアランス不良が続くと、患者さんにとっても薬剤師にとっても悪い影響が出てしまいます。アドヒアランスが不良だと気づいた場合は、早めに対策することが大切です。

薬が正しく作用せず、治療効果が出づらい

アドヒアランス不良ということは、患者さんがしっかりと服薬できていないことを示します。そのため、効果的な治療ができません。しっかり服薬していれば期待できるはずだった薬の効果が得られなくなるため、治療に時間がかかったり十分な効果が出なかったりします。

人によっては、体調がよくなったと思い込んで服薬を自己判断で中止してしまう方もいるでしょう。そのような方では血中濃度が不安定になりやすく、思わぬ副作用を引き起こすことがあります。

医療費がかさむ

アドヒアランス不良は、医療費の圧迫にもつながります。飲まれずにそのまま放置されている残薬が増えていくためです。厚生労働省の調べによると、残薬の金額は年間で約500億円にも及ぶといわれています。アドヒアランスだけの問題ではないとはいえ、年間にこれほどまでの薬が飲まれないまま眠っているのです。これは医療費を無駄に使っているといわざるを得ません。アドヒアランスを向上できれば、処方された薬が飲まれないまま放置されることもなくなるため、医療費を削減できます。

アドヒアランス向上のために、薬局の薬剤師ができる工夫

アドヒアランスを向上させるために薬剤師ができることとしては、次のものが挙げられます。

●丁寧でわかりやすい服薬指導を心がける
●必要のない薬は減らす
●薬が飲みやすくなるような工夫をする
●患者さんとの信頼関係を築く

なぜ薬を飲まなくてはいけないのか、どうやって薬を飲めばいいのかなど、詳しく説明しましょう。人間は文章よりも画像の方が強く記憶に残りやすいため、写真やイラストを使って服薬指導を行うと効果的です。

必要性の低い薬は、無理に服薬させようとせず、処方を切ってしまうのもよいでしょう。飲みにくい薬がある場合は、服用時点を変更したり違う薬に変えたりして対処します。

また、患者さんとの信頼関係をしっかりと築くのも大切です。困ったことがあればすぐに相談してもらえるような関係を作っておけば、自己判断での服薬中止が減りアドヒアランス不良も防ぐことができます。

▽参考記事
「わかりやすい帳票で服薬アドヒアランス向上」

まとめ

服薬アドヒアランスとは、患者さん自身が治療方法について理解し、積極的に治療に参加することです。アドヒアランス不良に陥ると、十分な治療効果が出なかったり医療費の増大につながったりする恐れがあります。

服薬アドヒアランスを向上させたいと少しでも悩んでいる方には、メディコムの電子薬歴「PharnesX-MX」がおすすめです。薬歴や監査情報を一元的に管理できるほか、重複薬のチェックも簡単に行えます。

また、薬袋や薬剤方法提供文書に医薬品の写真やイラストを入れることもできるため、患者さんの記憶に残りやすく服薬指導を行うことも可能です。システムをうまく活用しながら、服薬アドヒアランスの向上を図っていきましょう。

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