独立を目指す薬剤師は押さえておくべき薬局経営の数字の読み方
今回は、薬局経営に欠かせない「数字の読み方」について解説していきます。
薬局だけに限ったことではありませんが、経営をしていく上で必要な数字の考え方があります。それは「売上-経費=利益」です。この利益がプラスであれば黒字、マイナスであれば赤字となります。
薬局の売上を構成する要素は2種類しかない
薬局の売り上げを構成する2大要素は「技術料」と「薬価差益」です。
技術料とは、調剤技術料(調剤基本料+調剤料+加算)+薬学管理料から成り立っています。地域支援体制加算やハイリスク加算などによって増減する部分です。一方で薬価差益とは、薬価と仕入れ価格の差によってうまれた利益のことを言います。 注意点としては、医薬品卸会社から仕入れる際の値引き率は消費税が加味されてません。たとえ20%引きで仕入れていたとしても実際の差益は消費税率10%を差し引いた残りの10%となります。この二大要素の合計が薬局の売り上げとなります。とはいえ、毎年のように薬価改定があったり、消費税の増額があったりするため、大きな薬価差益は見込めないのが現実です。そのため、まず注目すべきは『技術料』であると考えてよいでしょう。
薬局の3大経費
薬局経営において、特に大きい支出(経費)は薬剤購入費、人件費と家賃です。在庫管理が甘い場合、在庫が膨らみ薬剤購入費がかさみ資金がそこをついてしまうケースもあります。こうなると差益がでていたとしても全体でマイナスとなってしまいます。毎月の薬剤使用料と購入量とのバランスを注視していく事が重要です。
人件費で重要となるのは労働分配率です。薬局における労働分配率の算出方法は、労働分配率=人件費÷売上総利益×100です。労働分配率が低いほど、利益率も高くなりますが、調剤薬局のような肉体労働が多い業種では、労働分配率が低すぎるとスタッフ一人あたりの負担が大きくなってしまいます。それによって医療の質が低下してしまうことや、離職に繋がってしまうこともあるため、およそ50~55%程度を目安にすると良いでしょう。
家賃は変動の無い固定費です。家賃が高ければ、その分利益も減ります。調剤薬局のような価格が決まっている業種にとっては、いかに固定費を低く抑えるかが重要なポイントとなります。
独立開業の案件を見極めるために
薬局経営における数字の見方は、お伝えした通りとてもシンプルです。まず技術料をチェックして売上の状態をみること、その次に3大経費を精査していきます。案件として市場に出ている調剤薬局の中には、労働分配率のマネジメントが出来ていないがゆえに赤字となっている場合もあるため、処方箋枚数や内容などを見て人員を削減できるかどうかを見極められれば、そこが伸びしろと判断できます。まずは、この計算が自然とできるようになることが薬局経営の数字を見るうえで重要です。
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