目 次
患者1人10分の診察を実践 効率的なカルテ記載を実現するMedicom-HRIII
「紹介制をとっている総合病院では、関節リウマチ患者さんは発症から数カ月という方が多く、治癒に導くことが困難。できるだけ早く発見し、適切な治療を行える専門クリニックが必要という思いから開業しました」。石川県金沢市や福井県福井市の総合病院で17年にわたって関節リウマチ、膠原病患者の診療にあたってきた院長の杉本和則先生は、開業に至った経緯をこう話します。
かつては「一生の付き合い」の病気といわれた関節リウマチは、診断基準の改善と薬剤の進歩もあり、臨床的・構造的・機能的寛解も可能になりました。そのために重要なのが、症状が出始めてから半年以内に適切な治療を行うこと。発症から時間が経過するほど、治療のゴールが遠ざかってしまうという関節リウマチで、「早期の診断と適切な治療によって、完治を目標にしています」と、杉本先生はクリニックの基本姿勢を強調します
杉本先生の診療スタイルは、完全予約制で、患者1人に対して10分程度の診察時間をかけ、毎回全身の関節を触診して所見をとるとともに、患者の訴えに共感することだといいます。「患者さんの状態を診ながら評価して、何らかの治療プランを提示できることが、われわれの役目と思っています」と杉本先生。
また、杉本先生のカルテ記載の方法は、過去カルテを見なくても、経過や治療歴がひと目で確認できるような形態を貫いています。「紙カルテのときは、毎回過去の記載分の一部をコピーし、最新受診のページに貼り付けるという手間のかかる作業をしていました。こうした記載方法を効率的に行い、対面診察に時間を割くためには、電子カルテ導入は開業時の前提条件でした」と言い、2014年5月の開業からMedicom-HRIIIを導入・運用しています。
杉本リウマチ内科クリニックの現在の継続受診している患者数は約800人。そのうち8割程度が関節リウマチの患者です。完全予約制で1日40人を診察しており、1人10分の診察時間に全身の関節を診ながら問診を行い、所見を詳細に入力します。「電子カルテだからこそ、時間を割いた診察とカルテ記載が実現できています」と、電子カルテ運用のメリットを強調します。
紙カルテのときは、全身の関節所見の記載に部位ごとのハンコを使っていたといいますが、そうした手間のかかる作業をMedicom-HRIIIのテンプレート入力でスピーディーに記載。多彩なMedicom-HRIIIの入力支援機能により、丁寧な診察を維持しつつ、効率的なカルテ記載を実現できていると言います。
電子カルテ導入の決め手
システム的な安定性や信頼性の高さは、電子カルテでも生かされていると考え、メディコムを選びました。
5社程度の電子カルテを評価・検討したという杉本先生。「メディコムのレセコンの歴史や信頼性の高さについての評判は聞いており、システム的な安定性の高さは電子カルテでも生かされているだろうと考えました」と選定理由を述べています。
導入メリット 1
テンプレート活用で関節所見の記載を効率化
毎回全身の関節の所見をとるという杉本先生は、関節リウマチの疾患活動性指標であるDAS(Disease Activity Score)28を用いて、全身28の関節の腫れ、痛み、その両方といった所見を記載しています。Medicom-HRIIIでの入力方法は、28関節の模式図をテンプレートで作成し、それぞれの部位で腫れや痛みなどの所見を○×などの記号で表し、プルダウンリストから選択入力できるようにしています。「マウスで選択・入力するだけなので、スピーディーな記載ができます」。
○(痛み)、×(腫れ)、○×(痛みと腫れ)などをマウスで選択でき、効率的に入力できる。
導入メリット 2
過去記事を毎回転記・効率的な記載を実現
杉本先生のカルテ記載は、過去の所見や治療歴が一覧できるよう、毎回、前回分の記事をドラッグして転記し、当日の記事を追加しています。「紙カルテを使っていたときの、過去記事のコピーと貼り付け作業を思えば、格段に効率的に記載できます」と、電子カルテのメリットを強調しています。 毎回の診療で治療歴がまとめられているため、紹介状作成も1人あたり4~5分程度で作成できると話しています。
過去の所見や治療歴を毎回、当日カルテに転記。情報が集約されているため、紹介状作成もスピーディー。
導入メリット 3
外注検査のオンライン化で依頼作業の効率化とミス防止
リウマチ診療では、全身の関節所見とともに血液検査の結果を組み合わせて評価することが重要な要素。杉本リウマチ内科クリニックでは、外注検査センターと連携し、検査指示入力・依頼と結果取得をオンラインで行っています。指示・依頼はシート入力で必要事項をチェックボックスで選択でき、漏れのない指示を効率的に実施。看護師の作業負担を軽減するとともに、手書きの依頼票で起こりがちなエラーや結果の入力ミスを防止しています。
外注検査センターとの連携により、検査指示・依頼をオンライン化。検査指示にはシート入力を用いて効率的に入力。
早期発見、診断・治療でリウマチの完治を目標に診療
2年前、福井県で当時初めてリウマチ・膠原病専門のクリニックとして開業した杉本リウマチ内科クリニック。患者1人に10分という診察時間をとり、完全予約制で診療を行う院長の杉本和則先生は、早期の診断と早期の適切な治療への移行によって、関節リウマチの完治を治療目標に診療を行っています。
杉本リウマチ内科クリニック
診療科目:内科、リウマチ科
住所:福井県福井市舟橋新2-109
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