クリニック内覧会でやってはいけないNG集
お祝いムードに気を緩め過ぎると失敗に繋がる
数々のお祝いの品や花とともに、友人知人たちのにこやかな笑顔にも祝福されるクリニックの内覧会。苦労してここまでこぎつけた院長およびスタッフは、
この晴れやかな雰囲気にホッと胸を撫で下ろすことでしょう。しかし、内覧会はクリニック開業後のスタートダッシュを左右する大切なPRイベントでもあるため油断は禁物。そこで今回は『やってはいけないNG集』と題し、内覧会を失敗させてしまいかねない、避けるべき事柄や行動についてお伝えしていきます。
まずNG行為として代表的なものといえば、内覧会の平日開催です。近い将来の患者さんとなるであろう近隣の方々にできるだけ多く足を運んでいただくためには、やはり土日や祝日に開催すべき。スタッフにとっては休日出勤となってしまいますが、このことを理解してもらった上で協力を要請しましょう。また当日の来院見込みが多人数に上るようなら、内覧会と関係者向けレセプションは別日に設定したほうが吉。院長が知人とばかり話し込んでしまっては、地域の人たちとコミュニケーションをとるという貴重な機会を失ってしまいます。
来場者に悪印象を与えてしまうNG行為
また内覧会では何かと人手が必要になるため、関係各社の営業マンなどが応援に駆けつけてくれる場合がありますが、その際の服装にスーツはご遠慮願いましょう。背広姿の集団がクリニック内を闊歩していては、一般の方、とくに子どもや高齢者は気軽に見学しづらいのではないでしょうか。「来てもらった人に“地域に開かれたクリニック”というイメージを持ってもらいたい」と説明し、目立たない私服での協力をお願いしておきましょう。
わざわざお祝いの品を持参した来客に対して「あとで院長に渡しておきます」などと受付で預かってしまうのもよくありません。内覧会当日は大忙しとなるためついやってしまいがちな行為ですが、中には「軽く扱われた」と憤る人もいます。お祝いの品に関しては院長が直に受けとる旨を、あらかじめ周知しておくべきです。これと同様に失礼だと捉えられかねない行為が、見学中の来場者を尻目に会場片付けを始めてしまうこと。終了時間になったからといってそそくさと掃除を始められては気分の良いものではありません。来場者の目に触れない箇所から片付けはじめるなど、作業手順を徹底しておきましょう。
内覧会で達成すべきゴールを設定しておく
内覧会のNG行為はこれまで指摘した以外にも非常に多岐に渡るため、あれもこれもとあげつらっていても根本的に予防することは困難です。そこで「なぜ内覧会で不手際を起こしてしまうのか」についても、一度深く考えておくことをお勧めします。開業準備において内覧会をどう位置づけるか、ということについての理解は、あらゆる不手際を未然に防ぐことに繋がるのです。
内覧会の手抜かりは、その多くが目的意識の希薄さから生まれます。そもそも「何のために催すのか」という点が曖昧なままだと、一つひとつの行動が適切か否かの判断基準もまた曖昧になるからです。たとえば「開業を幅広く認知・浸透させる」「地域への仲間入りを果たしたことに感謝の意を表す」「医療理念や院長・スタッフの人柄を伝える」といった、達成すべきゴールを設定しておけば、おのずとそれらに適った行動規範が生まれてくるはずです。「どのクリニックもやっているから」という理由だけで開催する内覧会に、大した意義はありません。自院にとっての開催目的をしっかりと踏まえ、ぜひスタッフと共有なさって下さい。
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