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クリニック開業 医師 事務長 2020.08.06 公開

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クリニック開業に向けたスタッフ研修と診療シミュレーション

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理 #マネジメント

スタッフ研修と診療シミュレーション

スタッフ間のスムーズな連携に研修は必須

内装工事が終わり、真新しい院内に什器や医療機器が運び込まれてくると、とたんにクリニックとしての体裁が整ってきます。なんだかすぐにでも診療を始められるような気さえしますが、もちろんそんなことはありません。何しろ新規に開業するクリニック内のスタッフは、ほぼ全員が初めて同士のはず。各人がそれなりにキャリアを積んできていたとしても、初対面ばかりで構成されたチームではスタッフ間のスムーズな連携は難しいものと言えます。開院までの期間にしっかりと研修や診療シミュレーションを行って、そのクリニックに応じた実践的なスキルを身につけてもらうようにしましょう。研修のスタートは、開院のおよそ2〜3週間前が良いでしょう。つまり各スタッフには、勤務開始がその時期になることをあらかじめ伝えておくことが必要です。研修期間を、医療機器や電子カルテ・レセコンなどのレクチャーを受ける時期と、実際に使用して訓練する時期に大別して、その合間に適宜ミーティングや接遇マナー講習などを行うようにすれば、研修全体の進行度合いが把握しやすいでしょう。

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オリエンテーションでモチベーションアップ

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また、機器の操作同様に大切とも言えるのが、スタッフのモチベーション醸成。その第一歩として、研修初日のミーティング時、先生方にぜひ行っていただきたいことがあります。それはスタッフ全員を集めてのオリエンテーション。開業に対しての思いや経営理念、診療方針などを、院長である先生自ら説明なさって下さい。たとえこういう機会が苦手で思ったように話せなかったとしても、熱意さえ伝わればこれからのクリニック運営がやりやすくなるはずです。また、スタッフにそれぞれ自己紹介をしてもらうのも忘れずに。院長先生だけが一方的に喋る会にならないよう気をつけましょう。また、ちょっとした備品や消耗品など、どれを選んでもそう大差ないようなものについては、製品の選別をスタッフの皆さんにまかせてしまっても良いでしょう。小さなことに思えるかもしれませんが、何でも院長が決めてしまうクリニックに比べ、運営への参加意識が高まるものです。

実践力を鍛える診療シミュレーション

研修の最終仕上げとなるのが模擬診療、いわゆる診療シミュレーションです。知人や出入り業者の中から有志を募り、患者役として受診してもらいましょう。窓口での受付に始まり、問診票記入・診察室への誘導・カルテ作成・レセコン入力・会計と、実際の診療時に沿って“通し稽古”を行う中で、実践力の不足した点が見えてくるはずです。例えば、患者の名前をどう呼ぶのか? 院長の名前は? 初診と再診での受付・案内手順の違いは? 保険証を忘れた患者がいたら? などなど、初歩的なだけに曖昧にしていた約束事が意外とたくさんあることに気づくでしょう。一通りシミュレーションが終わったら反省会を開き、スタッフ間の連携や患者接遇、機器の取り扱い、必要備品等について確認することも重要です。シミュレーションを繰り返せば、診療の流れはどんどんスムーズになっていきます。全体を通す時間がなければ気になるシーンのみでも結構ですし、患者役を集めるのが難しければスタッフの代役でも構いません。一度と言わず二度三度と診療シミュレーションを行い、より洗練されたチームワークを目指して下さい。

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電子カルテの研修ポイント

電子カルテ研修受講前の準備が大切

電子カルテの操作を理解するまでには時間がかかります。始めのころは、業務に必要な操作だけ知っておけばいいだろうと考える方も多いでしょう。しかし、それでは突然のトラブルに対応できません。できれば、研修の前にマニュアルを読んでおくなど、ひと通りの流れをある程度、理解した上で研修を受けると、より頭に入りやすくなるはずです。
また、電子カルテの研修には、ITに詳しいスタッフに参加してもらうとよいでしょう。電子カルテは、基本的にパソコンが苦手な方でも操作がしやすいように設計されていますが、ITに詳しい方が一緒に参加すれば、その場でわからないことをサポートしてもらったり、研修で十分に理解できなかったところは、あとで確認したりすることができます。

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