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もし河村さんが1年後に開業する医師だとしたら…全国どこでも開業できるなら、どこを選ぶ?
――もし、河村さんが1年後に開業する医師だとしたら、全国どこでも開業できるなら、どこを選びますか?
診療科目によって適した場所は変わってくるという前提はありますが、私個人としては出身地である仙台を選びますね。
――仙台を選ぶ理由は何でしょうか?
開業は基本的に一度きりですから、自分が愛着を持てる土地かどうかが非常に重要です。また、「その地域の医療ニーズに応えるために開業する」という大前提があります。その点において、仙台は私にとって愛着のある土地であり、かつ医療ニーズも十分にあると考えています。
――仙台の特徴について、もう少し詳しく教えていただけますか?
仙台の場合、車社会であることもあり、都内よりも診療圏が広いと考えられます。ただし、地下鉄もありますので、このエリアは車ではない来院も意識するかもしれません。交通の便が良く、人が集まりやすい場所を選ぶことは大切です。また、人口が100万人程度いるので、医療需要が見込みやすいというのも理由です。
もし仙台が選択できない場合は、東北6県のどこかを選ぶと思います。愛着が持てるというところと医療需要の掛け算ということですと、仙台でなければ東北のどこかが自分のエリアになるでしょう。その中から、県庁所在地や人口の多いエリアを狙うでしょうね。
――地方都市を選ぶ際のポイントは何でしょうか?
地方都市の周辺で過疎が進んだ地域の医療は、公的病院や中核病院を中心に密に連携したり集約したりしていくことが社会の要請になっていますので、外様でクリニックを開業するということであれば、ある程度個人の意思が通るくらいの都市の必要がありそうです。
そのため、過疎地よりは人口の多いエリアで、かつ医療のニーズがまだ満たされていない場所を探すことが重要です。例えば、福島、山形、盛岡などの県庁所在地周辺がターゲットになるかもしれません。
――開業地選びで最も重要なことは何だとお考えですか?
もっとも重要なのは、前述のこだわりのとおりで、自分が愛着を持てる土地であることと、その地域の医療ニーズに応えられることのバランスだと思います。また、自分の家族の理解も重要な要素です。
――これから開業を考えている先生へのアドバイスをお願いします。
開業地選びは、単に人口や競合だけでなく、自分自身がその地域に愛着を持てるか、どれだけ活躍できるか、どれだけ地域に貢献できるかを真剣に考えることが大切です。また、地域のコミュニティとの関わりも重要です。自分が愛着を持てる土地で、地域に根差した医療を提供できれば、それが長期的な成功につながると信じています。