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クリニック経営 医師 事務長 2024.08.23 公開

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「スタッフ管理は、永遠の悩みです」30代、開業医のリアル 座談会Vol.3

変化と多様性の時代。医師の生き方・働き方も時代に合わせ、これまでとは異なる選択を求められるようになりました。「開業」を選んだ先生 は、いつ・何を考え・どう動いたのか?ライフプランとキャリアプラン、経営の悩みや戦略など、実際の先生3名に匿名でお集まりいただき、座談会形式で開業医のリアルに迫ります。前回は、先生方の「開業して一番つらいこと」に迫りました。今回は、「開業医の永遠の悩み、スタッフ管理」についてお聞きします。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #開業地選定 #事業計画 #労務管理 #開業直後の悩み #マネジメント #30代、開業医のリアル #業務効率化

目次

<参加いただいた先生のプロフィール>

ぐちょぽい先生 眼科クリニック開業医。30代。専門は角膜感染症、ぶどう膜炎、神経系。
くるとん先生 内科クリニック開業医。30代。専門は消化器内科全般、肝臓内科。
KOTATSU先生 内科クリニックの開業準備中。30代。専門は糖尿病、内分泌内科。

※座談会は2024年3月に実施された内容です。各先生のお名前はハンドルネームです。

>前回はこちら!「開業して一番つらいのは…」30代、開業医のリアル座談会 Vol.2

開業医の永遠の悩み…スタッフ管理

――前回、開業医だと臨床は「出来て当たり前」で、スタッフ管理に頭を悩ませることばかりというお話がありました。皆さんそうなのでしょうか?

ぐちょぽい先生:私のクリニックは、口コミにスタッフの接遇に関する悪評がついてしまい、今後の対応に悩んでいます。
正社員で雇ったスタッフが急に来なくなったり、受け答えは問題ない方だったが足し算引き算が苦手だったり、ある日突然、彼氏が職場にきて「俺に無断で仕事をするな」と強制退職になった方などいました……。

くるとん先生:スタッフ管理は、永遠の課題ですよね…。特に眼科は内科に比べスタッフの人数が多い分、玉石混交ですよね。

ぐちょぽい先生:確かに眼科は検査にも人手が必要なので、それも手伝って事件が多いのかもしれません。

くるとん先生:経営陣はいかに患者数を増やし売り上げを伸ばすかを考えますが、スタッフはその限りではなく……。急な患者さんの来院や検査数の増加を嫌がる方はいます。実際に患者さんが来ると対応は問題ないのですが、困ったものです。

ぐちょぽい先生:閉院時間ギリギリの来院は、スタッフは嫌がりますよね。気づかないふりをしつつ受け入れるのは、開業医あるあるだと思います。

KOTATSU先生:特に受付の対応はそのままクリニックの評価になったりしますから、悩ましい問題ですよね。

常勤スタッフと非常勤スタッフの黄金比

――経営者・雇い主として、スタッフの採用や管理・育成には苦労されているのですね。

ぐちょぽい先生:トンデモ事件とまではいかなくとも、様々な事情で急に休む方もいるので、そういった時の対応も悩ましいです。

KOTATSU先生:これってすごく大事な話ですよね。スタッフの常勤と非常勤の割合はどの程度が最適かというのは、探りながら見つけるしかないのでしょうか。常勤が突然休みを取ることもありますし。

ぐちょぽい先生:最適解は、難しいですね。私のクリニックでは、基本的には常勤になってくれる方を優先的に採用します。それで空いた穴を非常勤で埋めるような形をとっています。
とはいえ、なかなか理論通りに上手くはいかず、常勤が急に退職するということも経験していますが……。
ただ、他のクリニックとは違う利点として、私のクリニックには系列病院や訪問診療部隊も別にいるため、最悪手が回らない時には、遊撃部隊のように臨機応変に動いてくれるスタッフがいて、助かっています。

KOTATSU先生:最強ですね、遊撃部隊。非常勤を多めに採用しておくと、常勤スタッフも休みを取りやすいのかなと。くるとん先生のところは、どういったスタッフ構成ですか?

くるとん先生:私のクリニックは、看護師が常勤2名(1名は勤務していた病院から引き抜いてきたスーパーナース)+パート1名(70歳のおばあさま)です。エコー技師は雇っておらず、エコーは全例私がやっております。1日2.3件、多い時で8件ほどなので、なかなか大変です。

KOTATSU先生:スタッフのボーナスは差をつけていますか?スタッフはスタッフだけのグループLINEを作ったりするので、嫌な形でボーナスに差がついていることが分かってしまったり…ということはあるのでしょうか。

くるとん先生:ボーナスは常勤だけですが、差は付けておらず、非常勤の方にはお気持ちとして商品券を渡しております。

ぐちょぽい先生:私もボーナスに差はつけていないですね。職種によって基本給が異なるだけです。スタッフは並列で、スタッフ業務についても、いつ・誰が抜けても回るように、定期的にローテーションしてもらっており、出来るだけ仕事にムラが出ないようにしています。具体的には、眼科だと、受付、検査、シュライバーですね。
あとは、レセプト業務やシフト決めなども看護師にリーダーを務めてもらい、はじめからスタッフの仕事と認識してもらうようにして、私が仕事を抱えないようにも意識しています。

KOTATSU先生:清掃業務などはどうしているのでしょうか?また、内科の場合は要意見書など簡単な書類の下書きなどはスタッフにしてもらっていますか?

くるとん先生:うちの場合、清掃は毎日清掃員の方がしてくれていますが、内視鏡の下剤を飲む部屋(3部屋)のトイレ清掃はスタッフにしてもらっています。
書類の下書きは基本的には私がしていますね。数がすごく多い訳ではないので、自分で行った方が早いのです…もちろん、少しずつタスクシフトしなければとは思っていますが……。

スタッフとはつかず離れずの距離を

――採用やスタッフの配置について、様々な工夫をお聞きしました。他にも、日常的にスタッフとのコミュニケーションで意識されていることはあるのでしょうか。

KOTATSU先生:コミュニケーションの一環で、お礼としてたまにおやつやケーキを振る舞うことがありますが、あれは皆さん、有りなのか、無しなのか…いかがですか?

ぐちょぽい先生:難しいですね。個人的には、院長とスタッフには一定の距離があった方が上手くいくと思っているので、頻繁にスイーツ等を振る舞う必要はないのかなと思っています。その分、学会などイベントのお土産や、忘年会などを盛大に行うことで帳尻を合わせている感じです。

くるとん先生:私のクリニックでは、院長の私ではなく、毎日私の母が顔を出して、コーヒーとスイーツを振る舞っている形ですね。

――ありがとうございます。スタッフへの心配り、距離感への配慮など、工夫をされているのですね。続いては、開業した今だから分かる、大学病院や市中病院、そして開業…それぞれの魅力と辛さについてお聞きしたいと思います。

シリーズ「30代、開業医のリアル」座談会の様子は、全8回(予定)に分けて配信いたします。
次回は、「勤務先によって異なる、魅力と辛さ」について迫ります。

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