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2024.07.26 公開

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「医院経営で気になるのは…」30代、 開業医のリアル 座談会Vol.1

変化と多様性の時代。医師の生き方・働き方も時代に合わせ、これまでとは異なる選択を求められるようになりました。「開業」を選んだ先生は、いつ・何を考え・どう動いたのか?ライフプランとキャリアプラン、経営の悩みや戦略など、座談会形式で開業医のリアルに迫ります。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #開業地選定 #事業計画 #労務管理 #開業直後の悩み #マネジメント #30代、開業医のリアル #業務効率化

目次

<参加いただいた先生のプロフィール>

ぐちょぽい先生 眼科クリニック開業医。30代。専門は角膜感染症、ぶどう膜炎、神経系。
くるとん先生 内科クリニック開業医。30代。専門は消化器内科全般、肝臓内科。
KOTATSU先生 内科クリニックの開業準備中。30代。専門は糖尿病、内分泌内科。

※座談会は2024年4月に実施された内容です。

まずは自己紹介をお願いします

――先生方、本日はお忙しい中ご参加くださりありがとうございます。はじめに、簡単な自己紹介をお願いいたします。

ぐちょぽい先生:はじめまして、眼科で開業をしているぐちょぽいと申します。皆様よろしくお願い致します。30代、角膜感染症、ぶどう膜炎、神経系を専門としています。

くるとん先生:はじめまして。実家の内科クリニックを承継開業しているくるとんと申します。年齢は同じく30代、専門は消化器内科全般、肝臓内科です。よろしくお願いします。

KOTATSU先生:糖尿病・内分泌内科を専門とした内科クリニックを開業しているKOTATSUと申します。現在は、勤務医と開業医というハイブリッドな勤務形態で働いております。同じく30代です。どうぞ宜しくお願いいたします。

ハイブリッド勤務、承継など、働き方はさまざま

――本題を掘り下げる前に、まずは各先生の現在の働き方について、詳しく教えていただけますでしょうか。

くるとん先生:私は昨年1月に実家の内科クリニックを承継し、移転開業しています。現在は先代である父と2診制としており、父は診療枠を絞っている状況です。木曜日、土曜日の午後休診、日曜日以外は8時~17時30分まで診療を行っています。一般の診察に加え、内視鏡検査、腹部超音波検査、発熱外来などを行っています。

KOTATSU先生:私は、週4日は勤務医+週1日は開業医として勤務(母の経営する眼科クリニックで糖尿病、甲状腺専門外来を担当)という働き方です。実は現在の働き方に至る前に、2020年ごろに雇われ開業を経験しました。コロナ禍の発熱外来だったこともあり、雇われ開業の苦しさに気づき、2年務めあげた後に現在の勤務形態に落ち着きました。母の眼科クリニック近くの総合病院で糖尿病内科医が不在のため、そちらの病院で週4日勤務、週1日は母のクリニックで糖尿病専門外来を始めてみた、という形ですね。糖尿病専門医による注射指導導入、もしくは総合病院で教育入院した後、実家のクリニックへ紹介し専門外来をしている感じです。甲状腺もたまにくるのでエコーと血液検査でフォローなどもしています。2年後には自分のクリニックを本格開業したいと思っており、今は準備期間です。

ぐちょぽい先生:私もKOTATSU先生同様、ハイブリッドな働き方をしています。昨年7月に自分のクリニックを開業したのですが、知り合いの病院の分院長という形で働いています。また、別の病院でも週1回だけ外来をしています。様々なクリニックを同時に見ているので、現場のニーズや問題点を掴みやすいという点はメリットですね。

ウハクリなのに閉院…自分も開業形態を考えるように

――最近、クリニック開業や経営について気になっていることはありますか?

KOTATSU先生:私は開業形態について気になっています。現在は完全に、母の眼科に来ている方をリクルートしている形なのですが、集患が上手くできているとは言えず、口コミでぼちぼち……というところです。正直、診療点数を考えると注射をしている糖尿病患者だけ診たいところです(苦笑)。現在2年後の本格開業にむけて準備をしているのですが、周辺ではいわゆる「ウハクリ」※なのに閉院するところが増えていまして……。実家のクリニックは眼科を専門とする方に引き継いでもらい、別の内科クリニックを承継するのもいいのかなと悩んでいます。

――なぜウハクリなのに閉院するところが増えているのでしょうか。

KOTATSU先生:60から70代の先生で、子供が医師ではない、あるいは医師だったとしても承継しないということが多いようですね。病気等が原因という話もよく耳にします。あとは単純に、疲れたから、と…。がむしゃらに働き、子供も成長したし、資産も残せる状態になったから、あとは自分の時間をゆっくりとりたい、という感じなのかなと思います。

――そういった周辺環境の変化もあり、内科クリニックの承継という選択肢も考えられていると。

KOTATSU先生:はい。そういった先生方も、ただクリニックを潰してしまうよりは、多少安くても誰かに譲って診療を維持でき、老後の資金にもなるなら、そのほうがよいでしょうから。
実際に、私も2件ほど承継案件の面談をうけて相場を調べています。将来的には自由診療も経営上必要になるのではと思っているのと、開業をする場合は実家の閉院も視野に入れて行わなければならないので、そういった点で難しさを感じています。

※ウハクリ…繁盛していて、ウハウハ儲かっているクリニックのことを指す俗語表現。対義語は、潰れそうなクリニックを指す「ツブクリ」。

集患戦略に大きな関心。データを活用した分析も。

――ぐちょぽい先生、くるとん先生はいかがですか?

ぐちょぽい先生:私は、最近は都心と田舎での集患方法の違いについて、関心があります。現在看板での集患とオンラインでの集患両方に力を入れており、どちらが費用対効果が良いか、獲得患者の年齢層やLTV※の差異などのデータをとっているところです。

くるとん先生:私も集患に関心があります。多くの患者さんに来院いただいていますが、診療報酬の改定などの影響もあり、更なる集患が必要と考えています。現在はホームページと医療ポータルサイトのみの宣伝であり、今後の宣伝戦略を検討中です。
また、集患以外にも、待ち時間の短縮には力を入れており、電子カルテのショートカットなどを駆使しています。その他保険診療だけでなく、自由診療も始めようと考えていますが、こちらはまだ検討段階です。

――皆さん、経営について積極的に改善を試みていらっしゃるのですね。集患に関しても、ぜひ後ほど詳しく掘り下げさせてください。まずは次回、開業のきっかけやご実感についてお伺いします。

※LTV…ライフタイムバリュー=顧客生涯価値。顧客と取引をしている間のトータルの利益(医院の場合は、初診・再診まで含めた全診療の利益)を示す。

シリーズ「30代、開業医のリアル」座談会の様子は、全8回に分けて配信いたします。
次回は、先生方の「開業のきっかけと実感」に迫ります。

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