【レポート】【最前線】電子処方箋でどう変わる? ~導入してわかった医療DXの課題と未来~
メディコムでは薬剤師の方や薬局関係者の方を対象に、2023年3月10日に「【最前線】電子処方箋でどう変わる? ~導入してわかった医療DXの課題と未来~」をテーマとしたセミナーを開催いたしました。
講師には、HYUGA PRIMARY CARE株式会社 代表取締役社長 黒木哲史様を迎え、講演後には薬局団体の方々からのご質問もいただき非常に盛り上がった1時間半となりました。セミナーで司会進行を務めていただいた、ドラビズon-line編集長の菅原さんに振り返っていただきました。
【講師】HYUGA PRIMARY CARE株式会社 代表取締役社長 黒木 哲史 様
【タイトル】【最前線】電子処方箋でどう変わる? ~導入してわかった医療DXの課題と未来~
「DXがあるから営業利益率が確保できている」
HYUGA PRIMARY CARE社長の黒木哲史氏は、実際に薬局でどのようにDXを進めているか、詳細に説明してくださいました。
例えばオンライン服薬指導においては、QRコードの読み取りから「きらり薬局」の公式LINEに登録されるフローを導入。LINEには「オンライン服薬指導」の機能だけでなく、OTC薬購入などの機能も付加されていると説明しました。こうしたLINEに機能を追加する薬局側の設定についても難しいものではなく、 外注ではなく、自社で行っていると言います。
決済もオンラインでできるようになっています。予約画面からは個別の手動での応答が必要になりますが、それ以前の工程ではすべて自動応答メッセージが設定されており、業務効率化にもつながっています。このLINEの設定に関しては、参加いただいた視聴者の方から質問が複数出るなど、高い関心がうかがえました。
ITの活用は「対患者様」だけでなく、研修や業務支援などの社内における活用も影響が大きいとしました。一般的に“手間がかかる”といわれる在宅業務中心の同社で営業利益率10%超を生んでいる背景の1つはDX化であると指摘しました。
電子処方箋導入で薬局の運用フローはどう変わるかのイメージ図も
PHC株式会社メディコム事業部 プロダクトマネジメント部 プロダクト戦略室(現在はウィーメックス株式会社ヘルスケアIT事業部プロダクトマネジメント部 プロダクト戦略室)の神澤 嘉範からは、電子処方箋を取り巻く最新情報のほか、「電子処方箋導入による変化」(受付、服薬指導、調剤録記録等の各場面)」や「引換番号の表示のされ方」「薬局の運用フロー」「マイナンバー受付での電子処方箋の選択イメージ」「オンライン診療等における利用」「在宅医療における利用」など、薬局現場に則した内容をお話しいただきました。
特に「薬局の運用フロー」では、電子処方箋導入によって、事務スタッフ、服薬指導を行う薬剤師、監査する薬剤師などのポジションによる業務のフローイメージ図をお示しいただき、より現場で導入後の運用がイメージしやすいものとなっていました。
DX化は今後の薬局に不可欠な存在に
お二人の講演後には、薬局関連団体の方々からの質疑応答がありました。
質疑の中では、DX化は必要と感じていても、実際にどのように導入を図っていくのかなどの薬局のリアルな悩みも提示され、議論が深まりました。今後の薬局の業界地図の変化にまで話は及び、DXと地域の課題をどう組み合わせるかが重要との視点も示されました。 電子処方箋によって、政府の進める医療DXが今後も進展していくものとみられます。まずは始まった電子処方箋へ、しっかりとした薬局での対応ができるよう、本セミナーを参考にしていただければ幸いです。
そのほかのセミナー内容
薬局関連団体の皆様からの質疑応答では、率直な疑問と、その回答が示されています。ぜひ、詳細は講演アーカイブをご視聴くださいませ!
質疑応答では以下のやりとりも展開されました。
・オンライン服薬指導はスキルを持った担当薬剤師が行うのが最適なのか?
・電子処方箋で薬局業務は効率化されるのか?(モデル事業での声は)
・LINE運用は外注が必要か?
・在宅領域での電子処方箋の今後の仕組みの変化は?
・薬局は今後、「地域」「オンライン活用」「在宅」が重要に?