目次
電子カルテ導入に必要な機材は?
電子カルテの導入には、パソコンだけでなく、以下の周辺機器が必要です。
• パソコン
• モニター
• インターネット回線
• ルーター
• 外付HDD(ハードディスクドライブ)
• 無停電電源装置(UPS)
その他、インターネット回線、院内LANおよび電源設備などシステム運用に必要なインフラ機材です。
それぞれの機器について詳しく見ていきましょう。
パソコン
電子カルテを導入するには、パソコンの選定が重要です。Windowsのパソコンが一般的に使用されます。導入する電子カルテによっては、MacやLinuxも対応可能ですので事前にベンダーと確認しましょう。
まず、受付・診察室にそれぞれ1台のパソコンの設置が最低限必要となります。パソコンの台数は医療機関の規模や診察室の数によって異なります。診察室が複数ある場合、その分、パソコンの台数も増やさなければなりません。
また、電子カルテを利用する場合、専用のパソコンが必要です。ここでいう「専用のパソコン」とは、他の業務に使用せず、電子カルテ専用として利用するパソコンを指します。専用のパソコンを用意することで、カルテデータの安全性を高めることができるでしょう。また、他のシステムや端末との連携が難しい場合もあるため、運用前に確認が必要です。各社の電子カルテには推奨されるOSやバージョンが指定されています。1社のメーカーで即決せず、自院に適した機能があるか、使い勝手は良いかなど、導入前にいくつかの電子カルテを比較してみましょう。
モニター
電子カルテには、パソコンの台数に応じたモニターが必要です。各パソコンには少なくとも1台のモニターを配置し、必要に応じて追加のモニターを導入します。デュアルディスプレイを使用すると、カルテ画面と予約患者リストなどを同時に表示でき、診療の効率化につながるでしょう。
タッチパネル式の液晶モニターは、ドクターがタッチペンや指で直感的に操作でき、画像の拡大・縮小や入力作業がスムーズにおこなえます。また、診断用画像を表示するために、高解像度の専用モニターの追加も検討できます。これにより、詳細な画像を確認しながら診療が可能となります。
自院の特徴に適したモニターを導入することで、診療の効率化や電子カルテの操作性向上が期待できるでしょう。
インターネット回線
電子カルテの運用には、信頼性の高いインターネット回線が必要です。インターネットは、電子レセプト請求、システムアップデート、クラウドバックアップ、検査会社との連携などに利用されます。
セキュリティ確保のために、接続先を固定・制限し、自由にネットサーフィンができないよう設定することをおすすめします。これにより、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減できるでしょう。
また、クラウド型電子カルテの場合、インターネットを通じて企業が管理するサーバーにアクセスし必要な情報を取得するため、安定したインターネット環境の整備が重要です。
ルーター
ルーターは、パソコンをインターネットに接続するだけでなく、院内ネットワークの構築のために必要な通信機器です。インターネット回線を契約する際には、ルーターも併せて準備しましょう。
適切なルーターを選ぶことで、院内のデバイスが安定してネットワークに接続でき、データの共有や通信がスムーズにおこなわれます。セキュリティ対策が施された高性能ルーターの導入が推奨されるので、ルーターの種類も適切かどうか忘れずに確認しましょう。
外付HDD(ハードディスクドライブ)
外付HDDは、システムのバックアップ用として使用します。電子カルテに含まれる重要なデータの消失や破損を防ぐため、RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)を組んでディスクの破損に備えることが推奨されます。HDDは消耗品であるため、4〜5年を目安に交換することをおすすめします。
無停電電源装置(UPS)
USPは、災害時や停電時に電子カルテに給電し、データ保存の時間を確保します。停電が発生した際、数分間の給電でデータをセーブする時間を提供するため、瞬間的な電力の断絶からもパソコンを保護できます。
UPSは使用しているだけでバッテリーが徐々に劣化するため、購入してから4〜5年を目安に交換することをおすすめします。なお、製品ごとに保証されている可用年数が異なるため、導入時に確認しておくと良いでしょう。
電子カルテ導入に必要なパソコンのスペックは?
電子カルテを導入する際、パソコンのスペックを満たしている必要があります。パソコンのスペックとは、機能や性能、サイズなどの仕様を指します。
これからパソコンを揃える場合、最新のOSを搭載したものを選ぶのが望ましいものの、電子カルテのメーカーによって推奨スペックは異なります。MacユーザーであればMac対応の電子カルテを選ぶことになりますが、その場合、選択肢が限られる可能性もあるでしょう。
まずはいくつかのメーカーの製品を比較検討し、システム要件を満たすためのスペックを確認しましょう。主な項目は、以下の通りです。
• 対応OS
• 推奨ブラウザ
• モニター解像度
• メモリ容量
• ディスク容量
• ネットワーク
電子カルテ導入に必要なパソコンのスペックは、システムの安定性と効率を左右します。適切なパソコンを選定し、推奨スペックを満たしたパソコンを選ぶことで、クリニックの業務効率を最大限に高められるでしょう。
必要に応じて導入する機材
電子カルテの導入にあたって、以下の機材も必要に応じて準備すると、利便性が高まるでしょう。
• プリンター
• スキャナー
• タブレット
• ノートPC
• その他、電子カルテを接続するもの
ここでは、それぞれの機材について解説します。
プリンター
処方箋、領収書、紹介状などの印刷には、プリンターが必要です。最低でも1台は設置しましょう。インクジェットプリンターは少量印刷向きで、レーザープリンターは大量印刷に適しています。小型のモノクロプリンターは受付での領収書や明細書の印刷に便利です。印刷スピードを重視するなら、レーザー方式がおすすめです。
スキャナー
紙資料や写真をデータ化する頻度が高い場合、スキャナーが必要となります。プリンター一体型よりもフィーダーに原稿をセットするだけで高速スキャンができる専用機がおすすめです。また、保険証や紹介状をレセコンや電子データ化して電子カルテに保存すると、業務の効率化が図れます。
タブレット
タブレットは、処置室で電子カルテのデータを共有し、指示を受けたり入力したりするのに便利です。訪問診療や院内巡回中でも電子カルテの情報を閲覧できたり、移動の車中などでもカルテ入力したり、業務効率化につながります。
とはいえ、全ての電子カルテがタブレットに対応できるとは限りません。タブレットの活用を検討している場合は、事前に電子カルテに対応できるか、確認しておくと良いでしょう。
ノートPC
クラウド型の電子カルテの場合、ノートPCであれば持ち運びしやすく、往診先や自宅でカルテの参照や入力が可能です。診療所外でも患者情報を確認でき、柔軟な診療が実現します。移動中や出張先でも電子カルテを使用できるため、診療の効率と利便性の向上につながるでしょう。
ほかにも、オフラインバックアップ体制を確保するため、USBコネクタ形式のSSDやHDD機材も必要に応じて導入するとよいでしょう。
その他、電子カルテを接続するもの
電子カルテは、各種医療機器や外部の会社と接続し、データを一元管理できます。これにより、ドクターは手元で迅速に必要な情報にアクセスでき、診療の効率が向上します。具体的には、以下のような医療機器との連携が可能です。
• X線撮影装置
• 心電計
• 超音波診断装置など
また、検査会社との連携により、検査依頼や結果の取り込みがネット経由でおこなえます。これらの連携により、患者データの管理が統合され、スムーズな診療が実現できるでしょう。
クラウド活用型電子カルテのご相談は「ウィーメックス」に
ウィーメックス(旧PHC)では、院内にサーバーを設置するオンプレミス型とクラウド型を融合させたハイブリッド型電子カルテ「Medicom-HRf Hybrid Cloud」を提供しています。
問診・予約・再来受付システムやPACS・検査管理システムなど、約170社の機器と連携でき、クリニックの特性に合わせた運用が実現可能です。訪問診療など院外でも利用できるので、診療領域の幅を広げます。
導入時の手厚いサポートだけでなく、アフターサービスやクリニックに最適なソリューションを提案するなど、対面でのサポートも可能です。持続可能な医療経営を目指し、電子カルテの導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
電子カルテの効率化を図りたいなら周辺機器を選定と整理がカギ
電子カルテの導入には、適切なパソコンや周辺機器の選定が不可欠です。受付や診察室に必要なパソコンのスペックを満たし、モニターやサーバー、インターネット回線などを整備することで、スムーズな運用ができます。
また、プリンターやスキャナー・タブレット・ノートPCなどの機材を活用すれば、診療の効率化につながるので、自院の特性に適切な電子カルテの導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。