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クリニック経営 医師 事務長 2024.06.10 公開

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病院とクリニックの違いとは?特徴や役割の違いについて解説

病院やクリニック、診療所などさまざまな呼び方がある医療機関ですが、具体的にどのような違いがあるのか、よく分からない方もいるのではないでしょうか。そもそもクリニックとは、医療法では「診療所」に当たります。病院と診療所は、病床数や人員配置基準などに違いがあり、それぞれ医療法によって定められています。本記事では、病院とクリニックの特徴や役割の違いについて解説します。この記事を読んで、それぞれの違いを把握するための参考にしてください。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討

目次

違い①:入院できる人数

病院とクリニックの違いとは?特徴や役割の違いについて解説

病院とクリニックの最も明確な違いの一つは、入院できる患者さんの人数(病床数)です。

医療法では、病院は入院できる病床数が20床以上であることが定められています。これに対し、クリニックは入院できる病床数が19床以下、または病床がないものです。

クリニックは病床の有無によって「無床診療所」と「有床診療所」に分けられます。

無床診療所 患者さんを入院させるための施設を有しない
有床診療所 19人以下の患者さんを入院させるための施設を有する
出典:医療法第一条の五(厚生労働省)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000205

患者さんの病態にふさわしい医療を提供するため、病床は以下の5つに区分されています。

  • 一般病床
  • 療養病床
  • 精神病床
  • 感染症病床
  • 結核病床

上記のうち「一般病床」と「療養病床」は、クリニックに設置できます。一般病床とは精神病床・感染症病床・結核病床以外を指し、療養病床とは長期にわたり療養を必要とする患者さんを入院させるための病床です。

違い②:医師や看護師等のスタッフの人数

病院とクリニックでは、勤務する医師や看護師等の人数にも大きな違いがあります。

病院では、病床数や病床の区分に応じてスタッフの人員配置数が定められています。医療スタッフには、医師、薬剤師、看護師、看護補助者、理学療法士などが含まれます。

病院では、医療法施行規則第19条に基づき、病床数に応じて医師の人数が算定されます。一般病院の場合、病床数が52までは最低3名の医師が必要です。病床数が52を超える場合、以下の算定式を用いて医師数を算定します。

必要な医師数=(病床数ー52)÷16+3

また、病床の区分に応じた医師の配置基準は、以下の通りです。

病床区分 入院患者数:医師数 外来患者数:医師数
一般病床 16:1 40:1
(耳鼻咽喉科・眼科は80:1)
療養病床 48:1
精神病床 16:1
精神病床 48:1
感染症病床 16:1
結核病床 16:1

例えば、一般病床では入院患者さん16人に対して医師1人、患者さん3人に対して看護師1人を必ず配置しなければなりません。

これに対し、クリニックの場合、病床数によっては看護師や准看護師、看護補助者が必要となりますが、医師1人でも開業できます。

出典:医師の配置基準について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0311-5a5.html

違い③:診療費・料金システム

病院とクリニックでは、検査や診察の内容が変わらなければ、基本的な診療費は同じです。ただし、病院では、入院加算や手術加算、特定疾患入院管理料など、より専門的かつ高度な医療行為に対する加算項目が含まれるため、診療費が高くなる傾向にあります。
一方、クリニックは外来診療に特化していることが多く、病院に比べて診療費が低くなることが一般的です。

なお、クリニックなどからの紹介状なしで一定規模以上の病院を受診すると、患者さんから徴収する「特別料金」が発生します。この「特別料金」は令和4年度に見直しされ、対象病院の拡大及び、徴収金額の増額がなされました。

違い④:役割

病院とクリニックの役割は、その規模と機能によって異なります。

クリニックでは、主に地域において初期診療や軽度な症状の治療を担当し、継続的な健康管理や予防医療に力を入れています。例えば、股関節や静脈瘤など特定の専門分野に特化しているなど、専門的な治療を提供することも少なくありません。

一方、病院は急性期の重篤な患者さんや、高度な医療技術が必要な治療を提供する役割を担っています。手術や専門的な検査、リハビリテーションなど多岐にわたる医療サービスを提供し、救急医療にも対応しています。

このようにクリニックと病院は相互に補完し合いながら地域の医療を支えています。

大きな病院を受診する場合は紹介状が必要

大きな病院を受診する際に紹介状が必要なのは、医療資源の適正利用と重症患者の優先治療を図るためです。紹介状により、事前に患者さんの症状や治療経過を把握し、専門医が効率的に診療できる体制が整います。

紹介状は、正式には「診療情報提供書」といわれ、患者さんの症状既往歴、検査結果などが記載されています。患者さんの同意を得た上で、「診療情報提供書」を添えて患者紹介を行った場合、月に1回に限り診療情報提供料が算定可能です。2022年度の診療報酬改定により、診療情報提供料(Ⅲ)は「連携強化診療情報提供料」に名称が変更されました。

初期診療を地域のクリニックで行うことで大病院に患者さんが流入する負担を軽減し、医療全体の効率化が促進されます。

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ウィーメックス(旧PHC)では、院内にサーバーを設置するオンプレミス型とクラウド型を融合させたハイブリッド型電子カルテ「Medicom-HRf Hybrid Cloud」を提供しています。

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医療機関の規模に応じた適切なサービスを

クリニックと病院の違いは、入院病床数やスタッフの人員配置数、料金体系、役割など多岐にわたります。病院の規模によって求められる役割も異なり、機能分化のための制度は今後も見直されることが想定されます。

人口構造が変化する日本では、医療機関の規模に応じた適切なサービスを提供していくことが求められていくでしょう。

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