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電子カルテとは 導入のメリットやデメリットを解説

9つの電子カルテプレミアムレポート

目次

電子カルテとは

電子カルテとは紙ベースのカルテを電子へ変えたものだが、実際にはこのように単純なシステムではないのです。厚生労働省は「標準的電子カルテ推進委員会」の中で電子カルテについて、医事会計システム(一般診療所ではレセプトコンピューター)やオンラインで繋がる検査や処方等のシステムの中心となり、患者の病状や治療経過の診療情報を保存し更新させ、この記録の検索・分析するものであると説明しています。
具体的には、会計システム、オーダリングシステム、臨床検査システム、薬剤システムなどをオンラインで連携させ、これらを患者情報として電子カルテに記録しているのです。現在は、医療機関で管理していたこのデータを外部で管理するクラウド化が進んできています。今後は地域包括システムの連携に電子カルテが活用されていきます。

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電子カルテの選定方法に関して詳しく知りたい方はこちら

電子カルテとレセコンの違いについて詳しく知りたい方はこちら

厚生労働省「標準的電子カルテ推進委員会」議事録より引用

電子カルテと紙カルテの比較

病院で利用するカルテには、紙カルテと電子カルテがあります。紙カルテは直接紙に医師が患者の症状や治療内容などを書き込むもので、電子カルテは紙カルテで書く内容をパソコンなどで入力し管理するシステムのことをいいます。

紙カルテは、カルテの数が増えると長期間保存する場所が必要です。一方電子カルテは、パソコンなどを使って管理するため、保管場所は必要ありません。また、パソコンなどでデータを管理するため、複数のスタッフが一度に同じ患者さんのカルテを利用したり、必要な情報をすぐに取り出したりすることができます。電子カルテはスタッフの仕事の負担軽減や、患者さんの待ち時間短縮につながります。

電子カルテ 紙カルテ
保管場所 保管場所に困らない 長期保存する場所が必要
同時閲覧
検索のしやすさ 工夫が必要

参照:厚生労働省「保険医療機関及び保険医療養担当規則」

電子カルテ・紙カルテの比較など詳しくはこちら

電子カルテの普及率

政府が求める電子カルテによる地域医療連携や医療情報の標準化の施策は、補助金などを使い医療のIT化が進んでいます。そこで現時点での電子カルテの普及率はどのようになっているのでしょうか。
2019年7月時点のデータでは、病院の場合、400床以上で76.9%、200〜399床で48.5%、100〜199床で33.1%、20〜99床で18.3%、100床未満は低迷状態になっています。
一方に一般診療所では開業するときは100%、全体では37,253施設で39.0%、4割しか電子カルテは導入されていないのです。今後、2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築に向け、政府からの推奨は激しくなると考えられます。

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2017年の電子カルテシステムの一般診療所における導入数は41.6%の41,167施設です。徐々に伸びてはいますが、紙カルテでの運用を続ける施設が多いのも事実です。
また、病院規模別では、2017年度は400床以上では85.4%、200~399床では64.9%、200床未満は37.0%という普及率となります。

厚生労働省「医療分野の情報化の推進について」より引用

電子カルテが満たすべき3つの原則

電子カルテには保存の義務があることから、診療記録、処方箋、助産記録などの文書に対して正確性の担保が重要になってきます。この正確性は訴訟などで使われたりすることからハイレベルとなり、保存期間にも各法令で規定されています。この運用にあたり「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が作成され、その中に電子保存の3原則として、真正性・見解性・保存性が記載されています。
具体的には、真正性の確保が責任の所在・虚偽入力や書換えなどの防止、見解性の確保が必要に応じて肉眼で見読できること、保存性の確保が保存期間5年の中で復元可能になっていることの3つです。

厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5.1版(令和3年1月)」より引用

電子カルテ導入のメリット

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近年においてIT化の波は当然ながら医療界にも押し寄せています。現在、電子カルテの普及率も着実に伸びてきています。そのため限られた開業資金で、本当にコストを上回るメリットがあるのか把握しておく必要があります。

メリット1. 情報管理・活用の即時性が最大のメリット

電子カルテにおける最大のメリットは、情報のデジタル化による管理・活用の即時性です。データの閲覧や検索などが迅速かつ簡単にできる点、医療情報の共有が瞬時にできる点、電子カルテは紙カルテには比べ圧倒的な優位性を持っているのです。
例えば外来の際、新規患者さんの名前・住所・問診票、症状・既往歴などの基本情報を受付スタッフが電子カルテに入力すれば、医師は診察室にいながらにして確認できます。その結果、別室で行った検査の結果を取り込むことで即座に把握できます。さらに診察を終えカルテが記入されれば、事務で再入力なく医療費が自動計算され、会計がスムーズになります。

メリット2. 間違いを未然に防げること

電子カルテは、紙カルテのように文字が判別し辛いことが無いため、看護師や事務員への指示の伝達ミスや転記ミスを回避し、オーダー誤りや請求漏れを防ぐことができます。
また、投薬についても薬の名称や薬効から検索して入力できるため、書き間違いによる医療事故を未然に防ぐことができます。他に、患者のアレルギーや併用禁忌などをチェックしたり、重要な情報の見落としを防止するような機能を使って、安全性を高めることができます。

メリット3. 業務の効率化につながる

電子カルテを導入すると業務を効率よく進めることができます。これまでのように紙カルテや検査結果、レントゲン写真などを探したりする時間が必要なくなります。また、紹介状や診断書を作成するなど時間のかかる作業は、テンプレートが用意されているため、医師は患者さんの診察や治療など本来の仕事に集中することができます。

メリット4. 紙カルテの保管スペースを減らせる

電子カルテは、患者さんの診療記録などすべてパソコンのサーバーに保管されます。電子カルテを導入すれば、患者さんが増えても紙カルテのように保管スペースを追加する必要はありません。紙カルテを保管するスペースがなくなってしまい、保管場所をあらたに借りなければいけないといった悩みもなくなります。

メリット5. 分院設立時やほかの医療機関の共有がしやすい

電子カルテは、サーバーに患者さんの診療記録などを保存されているため、クリニックだけではなく、ほかの場所でも情報を共有することができます。紙カルテを移動させたり、保管する場所を探したりするなどの手間もなくなります。また、ほかの医療機関・行政などと情報を共有できるため、患者さんのニーズに合わせた医療を提供することができます。

電子カルテのメリットに関して詳しく知りたい方はこちら

クラウド型電子カルテのメリットについて詳しく知りたい方はこちら

電子カルテ導入のデメリット

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当然ながらIT化の波は医療界にも押し寄せ、いい事ずくめのような電子カルテにも、もちろんデメリットがあります。そこで電子カルテのデメリットはないのか、といった点について把握しておく必要があります。

デメリットを把握することで事前にリスク回避を

電子カルテのデメリットでまずあげられるのが、スムーズな運用ができるまでには少々時間がかかるという点です。デジタルツールが得意な先生もいらっしゃるでしょうが、そうではないスタッフ全員もいます。電子カルテは機種ごとに操作方法が異なるため経験者でも手間取ることがあります。そのため開業前に充分な習得期間を設けることが重要になってきます。
また停電やシステムダウン等により、業務がストップしてしまう可能性はゼロではないのです。こういった危機に対するメーカーや納入業者の具体的取り組みは、導入前にきっちりと確認しておきましょう。

デメリット1.運用できるまでに時間がかかる

電子カルテのデメリットでまずあげられるのが、スムーズな運用ができるまでには少々時間がかかるという点です。デジタルツールが得意な先生もいらっしゃるでしょうが、そうではないスタッフ全員もいます。電子カルテは機種ごとに操作方法が異なるため経験者でも手間取ることがあります。そのため開業前に充分な習得期間を設けることが重要になってきます。

デメリット2.紙カルテの情報を入力しなければならない

紙カルテから電子カルテに移行するには、紙カルテに書かれている情報を電子カルテに入力しなくてはいけません。患者さんのお名前・住所・保険情報などを入力することは大変ですが、一度入力しておけば次からはすぐに情報を引き出すことができます。また、電子カルテの会社にもよりますが、紙カルテをスキャンして電子カルテに読み込むという方法もあります。

デメリット3.導入費用がかかる

電子カルテを導入するには、多額の費用が必要です。初期費用や毎月の運用コストが必要な場合も多く、システムの設定やスタッフの研修費用、パソコンとネットワークなどを接続するための費用などがかかる場合もあります。まずは、自院にどんなシステムが必要なのか、または必要ではないかを見定めることが大切です。

デメリット4.停電時に利用できない

電子カルテはパソコンを利用しているため、停電になると利用することができません。もしもパソコンの故障や停電などが起きたときに備えて、カルテの入力や診察の予約、医療費の精算など紙でできるように準備しておくことも必要です。

デメリット5.運用コストが必要

電子カルテは、毎月の運用コストが必要です。電子カルテは、さまざまな企業が販売しているため、無料や格安のものなどがあります。自院はどんな作業が必要なのか、必要でないのかを見極め、少しでも運用コストを抑えながら自院にあった電子カルテを導入することが大切です。

デメリット6.電子カルテに運用を合わせる必要があるケースが存在する

電子カルテの導入に伴い、これまでの院内の運用を変更しなければいけない場合があります。電子カルテで対応できるところと対応できないところを確認し、それぞれの運用について事前に取り決めをすることが必要です。

例えば、カルテの書き方を電子カルテの入力形式に合わせ、変更する必要があるかもしれません。また、電子カルテで発行できない帳票を使っていれば、運用を変えて発行できる帳票を使うか、それ以外の代替手段を取るのか、事前に決める必要があります。

電子カルテの買い替えの原因に関して詳しく知りたい方はこちら
電子カルテでも5年保存に関して詳しく知りたい方はこちら
いざ、電子カルテを買い替えようと思ったら何をすれば良いのかに関して詳しく知りたい方はこちら
電子カルテの移行方法に関して詳しく知りたい方はこちら
電子カルテ買い替え時のチェックポイントに関して詳しく知りたい方はこちら

クラウド型電子カルテとは

クラウド型の電子カルテは、どこにいてもインターネットに接続することにより、データセンターに保存しているカルテの情報へアクセスすることができます。

データは外部のデータセンターのサーバーに保存しているため、地震や火事などの災害などによりデータが消失するといったリスクを避けることができます。また、通常の電子カルテは、サーバーを院内に設置する必要がありますが、クラウド型電子カルテは院内にサーバーを設置する必要がないため、データのバックアップ・更新作業などのメンテナンスも必要ありません。

電子カルテと、クラウド型電子カルテの比較など詳しくはこちら

電子カルテのシステムの種類の比較

電子カルテのシステムには、クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド型があります。

クラウド型の電子カルテは、企業のサーバーを借りてデータを利用するシステムです。クラウド型は、インターネットに接続できれば、どこからでもデータを保存したり、取り出したりできます。

オンプレミス型は、電子カルテのデータを院内のサーバーに保存するシステムです。オンプレミス型は、自院だけで利用するため、自院独自のシステムがつくれます。また、インターネットを切断すれば外部から侵入されることもありません。

ハイブリッド型は、院内のサーバーと企業が管理するサーバーの両方を利用するシステムです。ハイブリッド型は、クラウド型・オンプレミス型の良い面を利用することができるため、院内のサーバーが故障した場合でも、クラウド上のサーバーに切り替えることができます。

オンプレミス クラウド ハイブリッド
サーバー 院内に設置 企業サーバを利用 院内サーバ/企業サーバ併用
端末 基本は指定だが、最近は選べるように スペックを満たしていれば自由に選べる スペックを満たしていれば自由に選べる
利用場所 基本は院内、外部に持ち出す場合は別途設定 インターネットがつながればどこでも可能 外部に持ち出す場合は別途設定
インターネットセキュリティ インターネットにつながない場合は、外部からの侵入の脅威はない インターネットにつなぐ場合アンチウィルスやファイアウォールなどの対策が必要 インターネットにつなぐ場合アンチウィルスやファイアウォールなどの対策が必要
ネットトラブル 影響あまりなし 影響あり 随時切り替えて利用
スピード サーバに依存 回線速度に依存 サーバに依存
カスタマイズ 自由度が高い ほとんどできない ある程度の自由度はある
設置・操作指導 パッケージに含まれる 別料金 パッケージに含まれる
連携 システムや医療機器との連携実績は多い システムや医療機器との連携実績は少ない システムや医療機器との連携実績は多い
価格 パッケージ価格(イニシャル+ランニング) サブスクリプションモデル(月額定額) サブスクリプションモデル(月額定額)
リプレイス OSのバージョンアップに合わせて買い替え(5年~6年) ハードのみ定期的に買い替え ハードのみ定期的に買い替え
クライアント数 クライアントごとにソフトが必要 同時アクセスする端末数で設定 クライアントごとにアプリが必要
サポート 訪問、リポート、電話、FAX オンライン(訪問は別料金) 訪問、リポート、電話、FAX

クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド型の比較など詳しくはこちら

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電子カルテを導入された方々の声

康明会 荻窪クリニック様(在宅)
康明会 荻窪クリニック様(在宅)

医師の事務作業を減らす設計

ー メディコムを選んだ理由は?
診療後クリニックでの事務作業に時間を費やすことが多く、医師含めスタッフの負担を削減したかったためです。
ー システムの運用成果は?
院外で情報閲覧できるので、いちいち事務員を情報確認のためクリニックに出勤させることなく、主治医でなくても安心して患者さん家族に病状説明が可能になりました。
はじか外科・内科
はじか外科・内科 / 院長:髙橋総司

患者様を待たせない診療

ー メディコムを選んだ理由は?
患者様を診ていく中で、待ち時間が長くなるという課題があり、解決策としてカルテ記載のスタイルを変えることなく使える設計だからです。
ー システムの運用成果は?
受付から診察、会計までとても業務がスムーズになり、患者さんの在院時間が圧倒的に短縮されました。
社会福祉法人すずらん福祉会 すずらん診療所(内科・外科)
社会福祉法人すずらん福祉会 すずらん診療所(内科・外科) / 院長:石川義典

情報統合可能なシステム連携

ー メディコムを選んだ理由は?
限られた診療所スタッフで業務フローを効率的に回していくためには、電子カルテを中心とした診療所のIT化は必須と考えていました。多職種間の情報連携・共有も期待できると思いました。
ー システムの運用成果は?
在宅医療で電子カルテをモバイル端末で利用してきました。院内の看護師による訪問看護でもケア記録や経過を電子カルテに入力しており、双方の情報共有の密度も増しています。

電子カルテ導入の流れについて詳しく知りたい方はこちら

電子カルテでよくある質問

  • クラウド型の電子カルテが良いと聞きますが、本当のところどうか知りたいです。
    電子カルテにはクラウド型とオンプレ型があります。携帯電話で、写真などデータの保存先としてクラウドが一般的になってきたことから、昨今電子カルテにおいてもクラウドが流行っていると考えられます。
    しかし、実はあまり知られていないですが、従来から実績のあるオンプレ型でも、クラウド型と同様のメリットが教授できるため、クラウド・オンプレ型などの流行り言葉に惑わされず、先生が実施したい診療に、本当に合う電子カルテを選定いただくことをお勧めします。
  • 電子カルテはインターネットにつなぎますか。つなぐと、患者さんのデータが流出することはないでしょうか。
    ウイルス対策は万全でしょうか。
    サーバ機を含む、全端末マシンに「ウイルス対策ソフト」を標準搭載し、ウイルス感染の予防と、感染してしまった場合のウイルス駆除を行うことができます。
    また、ルータにURLフィルタ機能を搭載しており外部から院内・院内から外部への情報漏洩を防ぎます。
  • 電子カルテは停電時も利用できますか。
    利用できません。
    なお、オプションサービスの無停電電源装置(UPS)を設置し、自家発電に切り替えれば、停電時に安全にシステムを終了させることは可能です。
  • 電子カルテが壊れて、保存しているデータが無くなることはないでしょうか。
    万が一、サーバが故障しても何重にもバックアップしている為、データがなくなることはほぼありません。また、サーバが故障してもセカンドサーバ(オプション)を導入いただければ、故障した機器以外は動作します。
    また、ネットワークバックアップを導入いただくことで、災害時でもデータの復旧が可能です。
  • 電子カルテを導入すると、入力の手間が増えて、逆に患者さんの会計までの時間が長くなることはありませんか。
    一概には言えませんが、インターネットの他、メール、ワード、エクセルなどの基本ソフトをご使用になる先生であれば、入力は手間ではないと考えられます。
    入力が苦手と感じる先生には、入力補助機能(テンプレート入力、アシスト機能など)を備えています。
    また、入力しやすいマトリクスキーボード(ローマ字入力ではなく、50音順のひらがな入力可能なキーボード)もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

電子カルテを選ぶポイントは、多くの一般診療所で使われている企業の電子カルテ

政府は、医療施設間などのネットワーク作りに力を注いでいます。このポイントとなるのが電子カルテによる横の繋がりです。つまり多くの一般診療所で使われている電子カルテを選ぶ方が効率的なのです。そこでPHCのメディコムは、一般診療所の4件に1件が選んでいる普及率の高い電子カルテとなっています。その理由はメディコムがおよそ170社の医療機器と連携が取れ、他社にない透析管理システムと連携が取れるからです。さらに電子カルテの使い易さからスタッフに評判が良いのです。だからメディコムは選ばれる電子カルテとなっています。

監修

PHC株式会社 メディコム事業部 プロダクトマネジメント部 医科プロダクト課 課長
松永 錦弥

神奈川県出身、群馬大学大学院にて情報工学専攻。
約7年間レセコン等のシステム開発を担当後、医療機関・保険薬局向け医療ITシステムの商品企画に従事。
現在は電子カルテ・レセコン等の医療機関向けITシステムの責任者として、よりお客様に寄り添う商品の企画・開発に取り組んでいる。

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