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レセプトコンピュータ 医師 事務長 2023.07.13 公開

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レセプト返戻再請求とは?令和5年4月から原則オンライン化、経過措置についても解説

レセプト返戻は、医療行為の適否判断が難しい場合に実施されます。内容に不備や誤りがあると、審査側から一方的にレセプト自体が差し戻されるため、医療機関は再請求を行わなければなりません。本記事では、レセプトの再請求についてご紹介した後、令和5年4月から原則的に義務化されたオンライン化についても詳しく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

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目次

レセプトの再請求とは

レセプトの再請求とは、請求が認められなかったレセプトの差し戻し(レセプト返戻)について、改めて請求を行うことです。レセプト返戻によりレセプトが差し戻されると、医療機関ではレセプトを補正して、翌月分の請求時に提出することになります。

レセプトの再請求は、事務手続きにおけるケアレスミスや、診療行為自体が問題になるケースによって引き起こされます。特に、診療報酬点数は、診療報酬改定で変わることが非常に多く、電子カルテなどを導入していない場合、点数計算のミスが多くなる傾向にあります。報酬の受け取りが1ヵ月以上遅れることになりますので、再請求が起こらないよう、注意しましょう。

令和5年4月より再請求も原則オンライン化

レセプト請求は現在、原則、オンラインによる請求が義務化されており、令和5年3月よりレセプトの再請求についても、原則オンラインによる再請求が義務化されました。3月度に請求されたレセプトについては、4月初旬に返戻された分の再請求を行う際に、「オンライン請求システムから返戻データをダウンロードし、オンラインによる再請求が必要になる」ということです。

オンライン化のメリット

平成17年の医療制度改革大綱によると、医療機関などが審査支払機関に提出するレセプトや、審査支払機関が保険者に提出するレセプトについて、平成18年度からオンライン化を進め、平成23年度から原則として、全てのレセプトをオンラインで提出するよう求めています。

レセプト再請求に関して、厚生労働省は令和5年1月の通達で、4月以降に行う再請求は、原則としてオンラインで実施する考えを明らかにしました。

オンライン化されると、ダウンロードした返戻レセプトをオンラインで再請求でき、電子レセプトとして一元的な管理が可能になります。オンライン請求を実施している保険医療機関などへの返戻レセプト(電子レセプト)は、社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険団体連合会から紙による送付のほか、CSV形式でのダウンロードが可能です。

一括してレセプトをオンライン活用できれば、データの一元管理ができるようになり、セキュリティー強化にも役立ちます。また、事務的な記録誤りなどにより返戻となるエラーをチェックできる機能も増えているので、医師が行う確認作業のサポートにもなるでしょう。

令和6年度中に紙返戻は廃止、経過措置について

令和5年4月以降、紙による返戻レセプトは廃止になります。ただし、経過措置として、オンライン対応が間に合わないといった理由がある場合には、申請を行うことにより、引き続き、紙媒体による返戻再請求または再審査申出ができることとなりました。

令和5年3月末までに、やむを得えない理由がある場合に限り、指定の届出用紙により、社会保険診療報酬支払基金に届出を行うことで、継続的に紙による申請が認められます。ただし、あくまでも経過措置です。令和6年度中に紙媒体の完全廃止を予定しているので、早期の対応が求められています。

▽参考記事
厚生労働省『返戻再請求等のオンライン化』

再請求による診療報酬の支払月の変化

レセプト返戻が起きず再請求がなければ、診療を行った翌月に診療請求が行われ、通常は2ヵ月後に診療報酬が支払われます。しかし、レセプト返戻があった場合は、返戻分の診療報酬は支払われず、収入が減額されます。

返戻されたレセプトは、請求された翌月には再請求が可能になります。そして、再請求が認められた場合、診療報酬請求の3ヵ月後に診療報酬が入金されます。時間はかかりますが、減収された分は、遅れて支払われることになります。

レセプト返戻を防ぐための対策を

前述の通り、レセコンへの誤入力などがあると着金が遅れるため、誤りのないレセプトの作成が求められます。そもそもの請求自体にも間違いがあるといけません。レセプトに間違いがないよう、医師の確認も十分に行う必要があります。医師と医療事務者とのコミュニケーションがうまくいっていれば、防げることも多いので、風通しの良い関係性の構築が必要です。

また、レセコンにチェック機能があれば返戻防止に役立ちます。チェック機能の強いレセコンを導入すれば、非常に心強いでしょう。

これらは、医療事務者のレベル向上にも役立つので、教育の意味合いからも価値があると考えられます。医療事務者に十分な教育がされていても、「うっかり」ということもあり得ます。レセコンのチェック機能は、ケアレスミスを防ぐ意味合いでも重要な機能でしょう。

ご紹介した対策をまとめると以下の3つになります。これらの対策がとれていれば、レセプト返戻を大きく減らせるでしょう。

  • 個々で入力漏れがないよう心掛ける。入力したデータに間違いがないかを確認する。
  • 医師と医療事務者とのコミュニケーションを円滑にする。
  • 入力漏れが起こりにくいシステムを導入する。
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オンライン化に伴いシステム改修を

レセプト請求および、レセプト返戻再請求は、令和5年6月現在、オンライン化されています。システム改修が間に合わないなど「やむを得ない事情」がある場合には「紙再請求」も行えますが、行政は、令和6年度中に紙媒体の廃止を目指しています。オンライン化に対応していない医療機関は、システム改修などを急ぐ必要があるでしょう。

メディコムの電子カルテでは、独自の医事システムで正確なレセプト作成が可能です。オンライン請求・返戻・再請求まで時代に即したレセプト請求ができるのでおすすめです。レセプトに関してさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご一読ください。

著作情報

竹中 啓倫

竹中 啓倫(たけなか ひろみち)

税理士・米国税理士・認定心理士

上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとしても活躍中。

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