オンライン資格確認は、オンラインで患者さんの資格情報を確認できるシステムです。マイナンバーカードのICチップを読み込む、または健康保険証の記号番号などの情報を入力するといった、2つの方法で確認でき、これまで医療機関でよく起こっていた保険証の期限切れや入力間違いなどによる請求もれを防ぐだけでなく、医療事務員が行う健康保険証の確認などの事務作業も減らすことができます。この記事では、オンライン資格確認の導入にあたり、気になる補助金について解説します。
01.ABOUT オンライン資格確認とは?
オンライン資格確認は、これまで行っていた作業を簡略化できるため、医療機関側だけでなく、患者さん側にもメリットの多いシステムです。患者さんを待たせる時間も減り、これまでの事務作業で使っていた時間をほかの作業に使うことも可能です。
また、オンライン資格確認を導入すれば、最新の保険情報をオンラインで自動的に読み取り込むことができます。オンライン資格確認は、次のような手続きで保険情報を確認します。
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マイナンバーカードの場合
- カードリーダーに読み込ませる。
- 顔認証付きカードリーダーか目視で本人確認または暗証番号を入力する。
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健康保険証の場合
- 記号番号を入力する
- 支払基金または国保中央会にあるオンライン資格確認等のシステムで患者さんの資格情報を確認する。
オンライン資格確認を導入するためには、次の3つの費用が必要です。
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資格確認専用端末の購入や
導入費用オンライン資格確認は、顔認証付きカードリーダーとパソコンを使って患者さんの資格情報を確認します。顔認証付きカードリーダーを使うためのアプリケーションや支払基金が提供するオンライン資格確認アプリケーションのインストールが必要です。
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ネットワーク回線の導入
または変更オンライン資格確認を利用するには、ネットワーク環境を整備することが必要です。ルーターの設定・ネットワークが疎通しているかを確認します。これらの作業は、現在利用しているシステムの状況によって異なります。
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レセプトコンピュータ・
電子カルテシステムの導入
または改修現在利用しているレセプトコンピュータ・電子カルテシステムなどがある場合は、パッケージソフトの改修が必要です。こちらも、現在利用している環境によって異なるため、システム会社への依頼が必要です。
これらの費用は、補助金を受けることができます。
02.SUBSIDY オンライン資格確認の補助金の金額
補助金の対象となる上記3つの費用のうち、「COST1」の顔認証付きカードリーダーは、医療機関・薬局ともに無償で提供されます。(病院は3台まで。診療所等は1台。)「COST2」「COST3」のそのほかの費用には、次の補助金が支払われます。
病院 | 大型チェーン薬局 | 診療所 & 薬局 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
顔認証付きカードリーダー 無償提供 |
3台 | 1台 | ||||
その他 費用補助 |
上限 | 1台導入 | 2台導入 | 3台導入 | 台数制限なし | |
210.1万円 | 200.2万円 | 190.3万円 | 21.4万円 | 42.9万円 | ||
補助額 | ※事業額の420.2万円を上限にその1/2を補助 | ※事業額の400.4万円を上限にその1/2を補助 | ※事業額の380.6万円を上限にその1/2を補助 | ※事業額の42.9万円を上限にその1/2を補助 | ※基準とする事業額42.9万円を上限に実費補助 |
顔認証付き カードリーダー 無償提供 |
その他費用補助 | |||
上限 | 補助額 | |||
病院 | 3台 | 1台導入 | 210.1万円 | |
---|---|---|---|---|
2台導入 | 200.2万円 | |||
3台導入 | 190.3万円 | |||
大型 チェーン 薬局 |
1台 | 台数 制限なし |
21.4万円 | |
診療所 & 薬局 |
42.9万円 |
- 大型チェーン薬局:グループでの商法線の受付が月4万回以上の薬局
- その他の費用 ①オンライン資格確認の導入に必要となる資格確認端末(パソコン)の導入・購入 ②ネットワーク環境の整備 ③レセプトコンピュータ、電子カルテシステム等の既存システムの改修 等
- 消費税分(10%)も補助対象であり、上記の上限額は消費税分も含む費用額となります
- 補助金の申請期限:令和5年3月31日まで補助対象事業を完了、令和5年6月30日までに申請
補助金は、「令和5年3月までに補助対象事業を完了。」「令和5年6月末までに補助金交付申請をしたもの。」が対象となります。それぞれ期限が設定されているため、早めに手続きをしましょう。
03.HOWTO
オンライン資格確認の
補助金の申請方法
オンライン資格確認の補助金を受けるためには、次の書類と手続きが必要です。
- 領収書の写し
- 領収書内訳書の写し
- オンライン資格確認等事業完了報告書
領収書・領収書内訳書は、システム会社などから受け取ってください。領収書内訳書は、細かい内訳が必要です。例えば、「顔認証付きカードリーダー1台○○円」「資格確認端末〇〇円」などです。
書類が用意できたら、補助金を申請する準備を行います。
- オンライン資格確認等事業の設備導入を完了させる
- これまでかかった費用をシステム会社などに支払う
- 必要な書類を添付し、補助金を申請する
補助金の申請には、「ポータルサイトから申請する」「郵送で申請する」の2つの方法があります。
CASE1 ポータルサイトから申請する場合
すべての書類がそろったら、オンラインで申請をします。領収書などの書類はPDF・ZIPで1ファイルとして送ることができます。
ポータルサイトから申請をするには、次のURLからログインをします。
メールアドレスとパスワードを入力し、オンライン資格確認関係補助金申請をクリック。「総事業費」にオンライン資格確認にかかった費用のうち、補助金の対象になる金額を入力すると、「補助金申請額」に補助金が表示されるので確認をします。
次に「ポータルサイトからアップロード」もしくは「郵送で申請する」を選び、「ポータルサイトからアップロード」する場合は書類をPDFかZIPで1ファイルにまとめてアップロードし、「確認画面へ進む」をクリックします。
最後にぞれぞれの費用を確認し、間違いなければ「上記の内容で確定する」をクリックし申請は完了です。
補助金の支払いは、申請から補助金交付まで2~3カ月ほどかかります。申請内容の確認が終わったら、診療報酬・調剤報酬が振り込まれている口座に入金されます。
CASE2 郵送で申請する
オンラインで申請することが難しい場合は、郵送で申請することも可能です。郵送は、領収書の写し・領収書内訳書の写し・オンライン資格確認等事業完了報告書のほかに「オンライン資格等確認関係補助金交付申請書」が必要です。ポータルサイトの申請よりもひとつ書類が増えるので注意してください。
この記事のまとめ
医療機関や薬局でオンライン資格確認を導入すれば、患者さんの最新の資格情報が確認できるため、レセプト返戻や受付での保険情報の確認などの手間を減らしたり、患者さんを待たせる時間を減らしたりすることができます。
このオンライン資格確認を導入するための補助金も受け取れます。ただし、補助金を受け取るには、期限までに手続きをする必要があります。オンライン資格確認を導入したいが、どこからはじめればいいのかわからないという方は、下のリンクからご相談ください。オンライン相談やデモンストレーションなども可能です。