出し入れで温度が変わりにくい、チェスト式超低温フリーザー
「PHCbiの超低温フリーザーの導入を決めたのは、新型コロナウイルスワクチンの接種を大規模かつ円滑に行うためです」と松木薬剤科長は話す。
ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンは、通常の冷凍庫では14日間までしか保存できない。
それ以上保存する場合は、-75℃で管理する。そのため、-85から-65℃までの範囲で冷却できるMDF-C8V1のような超低温フリーザーが必要になる。
MDF-C8V1は上部に蓋が付いているチェストタイプだ。
扉開閉時の冷気漏れが少なく、長期保存にふさわしい安定した庫内温度環境が得られる点が特長となっている。
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「ワクチンは、ファイザー社からドライアイスによって超低温が維持された状態で、配送箱に入れられて届きます。箱を開けると、ドライアイスが周りに敷き詰められており、真ん中にワクチンがあります」
1箱に入っているバイアルは195本。バイアル1本で6回の接種ができるため、計算すると1170回の接種が可能だ。
箱から取り出したワクチンは、そのまま超低温フリーザーの中にすばやく移される。
超低温フリーザーの中ではワクチンの有効期間(海外工場で製造されてから約9か月間)までの保存が可能になる。
MDF-C8V1はこうした作業プロセスにおいても使い勝手がいいと好評を得ている。
取り出しやすさが特長。ワクチンの解凍に便利な薬用保冷庫
「ワクチンを使用するときは、事前に冷蔵庫で解凍します」と松木薬剤科長は続ける。
ワクチンの解凍に使われているのは、PHCbiの薬用保冷庫「MPR-S300H」。温度管理と結露低減にすぐれた製品だ。
ワクチンの保管基準として、保冷庫には凍結の予防、温度均一性の厳密な管理、扉開放後の庫内温度復帰が迅速であることが要される。
扉がガラスになっているため庫内の様子が見やすい点も、短い時間で出し入れする必要のあるワクチン保管に適した製品といえよう。
「当院では、接種を事前予約をしていただいてからワクチンを管理していますので、予約の本数に合わせて解凍します。
生理食塩液で希釈して接種を行うのですが、希釈後は6時間以内に接種する必要があります。
午前の分だけを薬用保冷庫に用意し、そのあとは午後になってから用意するなど、使用する時間によって小分けに準備をしています」
同院では、2021年5月の連休明けから、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を大規模に行った。
6月後半には、柏市大規模接種センターの目標値の約2倍である、週平均約5500回の接種回数にまで到達。
MPR-S300H/MPR-514の導入が、円滑なオペレーションをサポートした。
2022年3月からは12歳以上の3回目の接種や小児の1、2回目接種の予約の受付も開始している。
柏厚生総合病院はこれからも、地域の人たちに寄り添い、社会のニーズに迅速に対応した医療を提供し続ける。
納入先
医療法人社団協友会 柏厚生総合病院
〒277-8551 千葉県柏市篠籠田617番地
納入機器
・超低温フリーザー:MDF-C8V1-PJ
・薬用保冷庫:MPR-S312DCN-PJ x 2, MPR-514R-PJ, MPR-S300H-PJ
・調剤支援システム:RINkS
・自動錠剤包装機:ATC-256GR1-PJ
・計数調剤監査システム
・散薬監査システム:AIC-PKS