PHCbi

CASE STUDIES 導入事例

株式会社NXワンビシアーカイブズ 関東第2センター(埼玉)

細胞・検体保管施設で力を発揮する
PHCbi 超低温フリーザー

医療・製薬会社と契約保管のプロの手で安全・確実に

地盤が強固で災害の少ない埼玉県小川町にあるNXワンビシアーカイブズ関東第2センター。
ここはお客様の大切な情報を守る“情報管理の拠点”だ。周囲を山々に囲まれた広大な敷地にいくつもの棟が建ち、その中の1棟が細胞・検体保管専用区画となっている。 医療・製薬関係の企業からお預かりしたヒト検体や細胞、医薬品や治験薬原料などを、厳格な品質管理とセキュリティ体制のもと、安心・安全に保管管理する。
その任務に大きく貢献しているのは、棟内に設置された約100台のPHCbiの超低温フリーザーをはじめとする保存機器である。
PHC製品が選ばれた理由や、果たしている役割について、凍結細胞保管事業推進室主事の小林輝一氏と玉田尚氏にお話を伺った。

医薬品製造業許可取得をきっかけに大きく業績伸ばす

データ・ソリューション事業を展開するNXワンビシアーカイブズ(以下、NXワンビシ)は1966年に創業。
重要な情報(機密文書、医薬品開発関連資料、永年保存の歴史資料、テープ等の記録メディア、デジタルデータ等)の発生段階から活用、保管、抹消までのライフサイクル全てをカバーした総合的サービスを提供している。2015年には新たに細胞・検体保管事業をスタートさせた。

「書類の管理を任せていただいていた医薬品会社のお客様から、社内でヒト検体を保管している苦労談を伺ったのがきっかけです。
その部分をお手伝いできれば、お客様はコア業務に集中することができる、と社内で検討し、新事業として動き始めました」と小林氏は言う。

液体窒素タンク保管からサービスを開始し、保管対象、顧客要望によって様々な温度帯での管理が必要となり、2017年、PHCbiの超低温フリーザーを導入した。
事業が大きく伸びたのは2018年、医薬品製造業(包装・表示・保管)許可を取得したのがきっかけだ。
「これまでは研究段階の試料を中心にお預かりしてきましたが、許可取得後は製造部門の保管物も取り扱えるようになりまし た」と玉田氏は説明する。

現在は北海道から九州まで約40社と契約。すべて医療・製薬関係の企業で、保管対象は細胞、ヒト検体が8割。残りの2割は医薬品原料や治験薬原料などだという。


スペース、時間、手間を省きコア業務に集中してもらうために

NXワンビシのサービスはどのような企業にご利用いただいているのだろうか「日本の製薬会社は、海外で原薬を製造させ、それを一時的に自社で保管したのち、再び海外の製剤会社に依頼し完成品として仕上げるケースが増えています。

一時的な保管のためにGMP省令に沿った保管スペースを設け、設備投資して管理するよりも、保管のプロである弊社に預けた方が安心で効率的と判断されるクライアント様が多いですね」と小林氏。

保管スペースがひっ迫している会社からの依頼も多い。特に、臨床検査会社の場合、治験が終了した検体を一定 期間保管する義務がある。それが増えると自社の保管場所が足りなくなり、次の治験を受託できない状態になる。

そこで、アクティブなもののみ、自社施設に保管し、一定期間保管が必要な検体はNXワンビシに預けるというケースも増えているそうだ。保管物を預かる際にはあらかじめ希望の温度帯を伺う。

基本は-150℃以下、-80℃、-30℃、5℃帯の4パターンだが、それ以外の温度帯もカスタムで受注する。
1つのフリーザーは契約によって、専用と共用に分かれる。共用では収納ボックスを利用する方法がスタンダード。

詳細な調査とお客様からのヒアリングで選ばれたPHCbi製品

すべての検体・細胞保管室は温度24℃以下、湿度60%以下に保たれ、PHCbiの超低温フリーザーが稼働するのにベストな環境をキープしている。
NXワンビシの事業にとって大きな要となるフリーザー。なぜPHCbiの製品が選ばれたのだろう。

「競合他社と比較し、価格、機器性能、保守サービス、消費電力、放熱量まで詳細に調べました。

その結果、故障が少なく、いざというときのサポート体制も優れていたというのが1つの理由。

もう1つは、お客様へのヒアリングで、信頼、実績ともに最も評価が高かったこと。
その2つが決定に至った大きな理由です」と玉田氏は話す。


心強いデュアル冷却システムさらに安全性を追求した何重ものリスク管理

▲温度チェックは2人体制で行う

「我々の仕事はリスクを最小限に抑え、いかにお客様に安心してご利用いただくか、というのが重要ポイント。本体に冷凍回路が2つあるデュアル冷却システムはとても心強い」と小林氏は言う。

それに加えてNXワンビシでは6台に1台の割合で補助冷却装置を準備。さらに数台に1台の割合で、「ホットスタンバイ(バックアップ機)」を設置している。思いがけないトラブルが起こってもすみやかに保管物を移動しリスクを軽減するための工夫だ。

フリーザーの内部温度は、午前と午後1回ずつ、目視でモニターをチェックし、LOGBOOKに記録を書き入れる。「100台ものフリーザーを管理しているため、モニターが見やすくわかりやすいのはありがたいポイントです」と玉田氏。

フリーザーには電池で動く記録計が付いており、24時間365日庫内温度を記録し続ける。
記録紙は永久保存するという。苦労する点はフリーザーの開閉の時間をいかに短縮するかである。
特に温度変化の大きい-30℃帯のフリーザーは1分以内で迅速に作業を行うのをルールとしている。

「首都直下型地震と南海トラフ地震を最大リスクと考え、その想定震度に耐えられる対策をすべて行っています。
フリーザーが倒れないよう計算してアンカーを打つ。地震によって起こる停電を乗り切れる自家発電装置を設置するなど、出来る限りの対策をしています。
そこまで徹底的にリスク管理を行ってこそ、お客様から安心して預けていただけるのです」と小林氏は力を込める。

▲バックアップの温度管理にも抜かりない

▲部屋の入退室の際は詳細に記録を残す

今後の課題はバイオ医薬品や再生医療への挑戦

今後の課題は2つある。
1つは近年、製造が増えているバイオ医薬品の保管に力を入れること。
もう1つは再生医療分野への参入だ。

「より厳格な管理とオペレーションを確立し、いつお客様からお声がかかっても対応できるようにしていきたい。 再生医療等製品製造販売業の許可取得を目指し、バイオハザード対策用キャビネットなどの設備導入も検討中です。PHCbiさんにご相談しながら設備を作っていきたい」と小林氏は言う。

「お客さまからお預かりしている情報は唯一無二」というのが現場の基本姿勢。
「細胞や検体もかけがえのない情報の一つ。これが大きなものに変わっていく。
“お客様の魂のこもった保管物を、魂をこめて管理する”
そんな気持ちで日夜、業務を行っています」、小林氏の力強い言葉が印象的だった。

納入先

株式会社NXワンビシアーカイブズ 関東第2センター
埼玉県比企郡小川町

納入機器

・超低温フリーザー MDF-U700V × 9台
・超低温フリーザー MDF-DU702VX × 45台
・バイオメディカルフリーザー MDF-U731M × 40台
・薬用保冷庫 MPR-722 × 6台
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