画期的なテクノロジーを通じて、
患者さんの医療アウトカムの改善に貢献
スティーブン・ライナム
PHCホールディングス株式会社 執行役員
エプレディアホールディングス社長
メッセージ
エプレディアの社名は、enhance precision cancer diagnosticsから頭文字をとっており、がん診断にかかわる病理学的検査のソリューションを提供しています。私たちには、精緻ながん診断をサポートし患者さんの生活を豊かにするという使命があり、疾病による負担を軽減し、医療における環境への負荷も低減していきます。ベストインクラスの製品とサービスで、お客様や患者さんに貢献するよう全力で取り組んでおり、今この瞬間も世界中のラボラトリで活躍しています。
概要
エプレディアホールディングスは、精緻ながん診断を追求した包括的なソリューションを提供し、患者さんのより良いアウトカムに貢献する病理分野のグローバルリーダーです。
病理とは、採取された体内の臓器や組織の一部を観察し、良性か悪性か診断するもので、がんの診断・治療には不可欠です。採取された検体は多くの処理工程を経てスライドガラスの上に載せられ、観察・診断されることになりますが、エプレディアはその工程で必要な全ての機器、試薬やスライドガラスのような消耗品を取り揃えて提供しています。Shandon、Richard-Allan Scientific、Microm、Menzel-Glaserといった製品ブランドとして知られ、1937年の創業以来85年にわたってその卓越した技術で精緻ながん診断を行うためのソリューションをお届けしています。
現在も1秒間に44ものエプレディア製品が、世界中の医療機関や研究施設で使用されています。今後も革新的でより的確ながん診断の実現に貢献していきます。
強み
- 高品質・高精度で包括的な製品ラインアップ
エプレディアホールディングスは病理のワークフローに必要な機器と消耗品を揃えています。特にスライドガラスはその優れた接着性や、歪みのない表面の均一性等で高い評価を受けています。機器についても温度制御の精度等はもちろんのこと、人間工学に基づく操作のしやすさ等使い勝手にも注意した設計が支持されており、効率的かつ正確ながん診断に貢献しています。
- デジタル技術による革新的な製品
これまではスライドガラスに用意された検体は顕微鏡で病理医が観察していましたが、近年デジタル画像としてスキャンしPC画面で観察するデジタル病理の技術が確立されてきました。またそのデジタル画像をAIの画像認識により、がんの診断に活用する技術も開発されてきています。エプレディアホールディングスはこのような新規技術も積極的に取り入れています。
- 強固な顧客基盤と高い市場シェア
エプレディアホールディングスには85年にわたって培われた顧客との信頼関係と高い市場シェアがあります。特にスライドガラスやティシュープロセッサー等は世界シェア1位です。
主要製品・サービス
- スライドガラス
良質なスライドガラスを用いることで、質の高い病理診断が実現できます。独自のガラス製造技術で滑らかなエッジと均一な厚さを可能にし、高質な検体分析と高精度な診断をサポートします。
- 病理用試薬
細胞質と核クロマチン間で明瞭なコントラストが得られる細胞診染色が、高く評価されています。また、エプレディアホールディングスの染色装置は、高い透明度と鮮明度で核の染色を行い、様々な染色液と併用ができます。
- 病理用機器
組織検査室で信頼性の高い結果を得るうえで、組織処理が重要です。現在、検査室における工程の迅速化、費用の節減、作業ミスの削減等が求められています。エプレディアホールディングスの組織処理ソリューションは、高品質なパラフィンブロックを効率的に処理し病理医の判断を支援します。
- ラベル付け・管理ソリューション
組織検査室で発生する作業ミスを防ぐには、カセットやスライドガラスのラベリングや適切な記録、管理が必要です。レーザー技術やオンデマンド印刷機能を備えるエプレディアのカセット印字装置及びスライドプリンターは、検査室の試料やスライドガラスを自動的にラベリングでき、ワークフローの合理化と精度を高めます。
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スライドガラス
光学的に最高レベルの透明度でより的確な診断を実現
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病理用試薬
透明度が高く、費用対効果に優れた染色液で、
細胞質やクロマチンの顕微鏡観察を効率化
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病理用機器
試料への試薬の浸透・置換を効率化するとともに、
試薬コストを低減
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プリンター
検体やスライドガラスの印字を自動化し
ワークフローを効率化
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デジタル病理
病理検査の現在と未来に貢献
3DHISTECH社とのパートナーシップを通じた、
病理検査におけるデジタルスライドスキャン技術の活用
※自社調べ
病理事業部
がん患者は世界的にも増加しており、それに伴い、がん関連の医薬品開発活動は製薬企業を中心に旺盛です。そのような背景から、病理検査用機器や消耗品の市場は1桁半ばの成長が見込まれています。
また、デジタル病理や免疫組織化学染色の領域にも注目しています。デジタル病理では顕微鏡ではなく、デジタル画像としてがん診断をサポートします。また、細胞・組織にどのようなタンパクが分布しているか確認する必要がある場合は、免疫組織化学染色という手法が用いられます。これらは今後がんの診断及び医薬の研究開発の効率性を大きく向上させる手法として注目されており、年2桁で成長することが期待されています。
病理は品質の高さ、安定性が特に求められる領域であり、我々は今後も高品質の新製品を販売し、市場シェアを伸ばしていきます。
また成長領域であるデジタル病理は、パートナーである3DHISTECH社のデジタル病理製品を販売しています。3DHISTECH社とは免疫組織化学染色におけるパートナーとして、共同で研究開発活動拠点を運営しており、デジタル病理・免疫組織化学染色においても重点投資して伸ばしていきます。
医師の経験や知見を通じて、現場視点で開発されたフラグシップ機のPANNORAMIC 1000は、最大1,000枚のスライドを一度にロードでき、約半日で自動スキャンできます。
例えば夜の間にスキャンにかけておき複数の病理医とデータを共有すれば、病理医の所在地によらず大量かつ迅速な観察が可能になり、観察プロセスの効率化に貢献します。