統合報告書 2024

PHCグループの事業戦略ヘルスケアソリューション

医療関係者の課題解決に加え、
その先にいる人々のWell-beingに貢献します。

高橋 秀明

高橋 秀明

PHCホールディングス株式会社 執行役員
ウィーメックス株式会社 代表取締役社長

メッセージ

ウィーメックスの事業は、1972年に日本初の医事コンピューター「メディコムMC-1」を発売したことから始まりました。以来、50年以上にわたり、医療業界に関わる業務をデジタル・テクノロジーの力で変革するとともに、社会や政策の変化への対応をリードしてまいりました。全国に営業所を展開し、地域に密着したサポート体制で医療機関や薬局等の円滑な業務遂行を支援しています。
また、遠隔医療サービスでは、へき地の人員不足解消・専門医の移動負担軽減等への対応を推進。企業向け健康管理ソリューションでは、健康経営の普及を促進しています。
上述の通り、医療機関・医療従事者の課題解決に加え、その先の生活者のWell-beingに貢献をしていきたいと考えています。我々が掲げるパーパス・バリューを軸に、さまざまな社会課題の解決に積極的に取り組んでいきます。

主要顧客

  • 病院/診療所
  • 保険薬局
  • 歯科医院
  • 企業・健康保険組合

概要

PHC株式会社からメディコム事業部を吸収分割し、PHCメディコム株式会社の合併によって、企画・開発から販売までワンストップでサービスを提供する新体制として、2023年4月より新会社 ウィーメックスとして事業を開始しました。「メディコム」ブランドの電子カルテシステムや医事コンピューターの他に、薬局経営のサポートや特定保健指導の支援、遠隔医療システムなどを提供しています。
ウィーメックスのパーパス「一人ひとりの心身を探求し、誰もが自分らしい幸せを手にできる社会を創り出す。」、バリュー「『先駆×共創』『挑戦×進化』・『誠実×情熱』」を軸に、社会に必要とされる価値を創出し続けたいと考えています。

強み

  • 豊富な知見・経験
    我々は日本初の医事コンピューターを発売して以来、さまざまなイノベーションを起こしてきました。お客さまが必要としているものを理解し、製品・サービスに反映させるための膨大な知見と経験が蓄積されています。
  • 強固な顧客基盤
    診療所向け電子カルテシステムおよび診療所・病院向け医事コンピューターのシェアNO.1です。また健康管理ソリューションでは、全国2,900を超える健診機関・医療機関と提携をしています。電子処方箋対応や第4期特定健診・特定保健指導などさまざまな政策関連需要が見込まれる中、強い信頼関係のある盤石な顧客基盤は我々の大きな強みです。
  • 迅速なサポートサービス
    全国に157拠点ものネットワークで医療機関や薬局等のお客さまサポートをしています。また診療報酬改定や法改正にも丁寧に対応しています。ヘルスケアIT業界初となるKCSアワードやHDI格付けベンチマークによる三つ星を取得しており、サポート品質でも業界をリードしています。

What’s new

2023年10月に、富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社の電子カルテ・レセプト関連事業を取得し、ウィーメックス ヘルスケアシステムズ株式会社が誕生しました。今後は、これまでの製品ポートフォリオの拡充に加え、双方がこれまで培ってきた技術やノウハウを掛け合わせ、政府の「医療DX」を推進する付加価値の高い製品ラインアップの開発を加速していきます。また、「医療サービス」という切り口で全方位へのソリューションの提供を実現しました。事業取得以降の具体的な活動として、製品ポートフォリオの精査・同一部門(営業・品質・調達など)間の活動内容の共有や効率化等の検討など、双方の知見を出し合い政府の医療政策と連動しながらヘルスケアIT事業の新たな方向性・プレゼンスを確立すべく活動しています。(2024年3月)

従業員の声

2023年4月より事業を開始したウィーメックスにおける従業員の意識醸成、人的資産の構築を目指して「パーパス・バリュー」が掲げられました。初年度のバリュー浸透活動として、部門ごとのエバンジェリスト(伝道師)による浸透活動が始まりました。浸透活動として、従業員一人ひとりがバリューを理解することを目標とし、部内をいくつかのチームに分け、双方向で対話できるよう工夫しています。特に年次や経験の浅い若手メンバーには、YGMTG(ヤングミーティング)を行い、バリューへの理解を深められるように努めました。
皆に自分事として捉えてもらうためには、まずは自分がエバンジェリストとして率先して活動し、
お手本になることが活動の成功への秘訣だと思います。

坂野 雪奈

ヘルスケアIT事業部 営業本部
東海営業部 愛知第1営業所坂野 雪奈

主要製品・サービス

国内の医療DXを推進するソリューションを展開。電子カルテシステムや医事コンピューター・電子薬歴システム等を幅広く提供。オンライン資格確認や電子処方箋との連携や、協力パートナーが提供する各種サービスとのAPI連携も実現

ヘルスケアIT業務支援システム

  • 医事コンピューター
    (レセプトコンピューター)

    正確なレセプト作成・入力ミスを防止する
    6つのアシスト機能を搭載
    電子カルテシステムへのスムーズな移行が可能

    診療所・病院 日本シャア 1 Medicom-HRf core
  • 電子カルテシステム

    カルテ入力の負荷軽減など医療現場の業務を効率化

    診療所 日本シェア 1 Medicom-HRf Hybrid Cloud
  • 電子薬歴システム

    薬歴の一覧画面や多彩な機能で
    薬剤師の業務をサポート

    PharnesX-MX
  • 歯科医院向け
    電子カルテシステム

    手書きカルテの自由さと使い勝手を
    そのまま再現。
    業務ストレスを軽減

    fine-SEED
  • レセプト審査支援サービス

    デジタルの高速処理で、請求業務を効率化。
    カスタマイズしやすいサポート機能を備え、
    レセプトの院内審査を支援

    べてらん君 collaboration Plus

健康経営ソリューション

  • 特定保健指導支援システム

    特定保健指導の促進を指導者・対象者の両面でサポート
    継続的な健康づくりと疾病予防を推進する
    コミュニケーションを実現

    ウェルスポートステップ

デジタルヘルスソリューション

  • リアルタイム遠隔医療システム

    Teladoc HEALTH
    チーム医療をサポートするリモート操作可能な
    遠隔医療システム

    遠隔医療システム Teladoc HEALTH イメージ

※出典:株式会社富士経済「2022年 医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望」より2020年企業シェア・数量ベース レセプトコンピューター(PHC実績)株式会社富士経済「2023 医療・ヘルスケアDX関連市場の現状と将来展望」より2022年企業シェア・金額ベース 診療所向け電子カルテ(PHC実績)

ヘルスケアITソリューション事業部

ヘルスケアITソリューション事業部 イメージ

国内ヘルスケアIT市場は、年2%の安定した成長が見込まれています。当社の主力製品カテゴリーである診療所向け電子カルテシステムの普及率は、全国10万件超の医院のうち50%程度の導入となっています。従前まではオンプレミス型製品が主流でしたが、今後は新規医院の開業検討医を中心に、クラウド型製品の需要増加が見込まれています。

また、マイナンバーカードや、健康保険証を通じて保険資格の有効性をオンラインで確認する「オンライン資格確認」については、病院・診療所などの医療機関や保険薬局において連携する医事コンピューター用ソフトウェアの導入数が、ウィーメックスとウィーメックス ヘルスケアシステムズの両社累計で50,000件を超えました。今後、紙で発行されていた処方箋が電子化された「電子処方箋」と連携する管理ソフトウェアの導入強化の推進も行っていきます。

当社は政策への迅速な対応力や製品開発における先進性などを強みとして、診療所・病院・薬局の業務効率化やデジタル化に貢献するさまざまな製品・サービスを提供しています。2021年以降のオンライン資格確認の導入、2023年以降の電子処方箋導入、2030年には電子カルテシステム普及率100%を目指す取り組み等、医療政策の動向に沿う形で事業を推進しています。さらに、2023年10月に新たにPHCグループに加わったウィーメックス ヘルスケアシステムズは、電子カルテ・レセプト関連事業を展開しており、特にレセプトチェックサービスで高い市場プレゼンスを構築しています。今後も、付加価値の高い製品の開発・提供、顧客基盤の拡大を目指し、事業成長を加速させていきます。

診療所向け電子カルテシステムではクラウド連携システム「Medicom Cloud Connect API」を活用し、協力パートナーが提供する予約・問診・会計等の各種システムとの連携を実現しています。今後も電子カルテや医事コンピューター・電子薬歴システム等とさまざまなクラウドサービスを接続し、医療機関・薬局の経営や運営を効率化するソリューションを展開していきます。

また、近年注目されている医療ビッグデータを活用した市場は拡大しており経営やデータ分析の領域で年二桁成長が見込まれています。当社が保有する各種データ等の分析を通じて、医療費の最適化を促進する等、ヘルスケア業界のさまざまな課題解決に取り組みます。また、遠隔地にいる医師と患者さんをオンラインでつなぐ遠隔医療システムの提供等を通じ、デジタル・テクノロジーの力で医療業界に新しい価値を提供し続けます。

※ 2024年3月13日時点