2023年11月15日
PHC株式会社
PHC株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中村 伸朗、以下「PHC」)は、この度、公益社団法人発明協会(所在地:東京都港区、会長:内山田 竹志)が主催する「令和5年度地方発明表彰」の「四国地方発明表彰(*1)」、「関東地方発明表彰(*2)」、「近畿地方発明表彰(*3)」において、3つの製品で受賞しましたので、お知らせ致します。
「四国地方発明表彰」では、呼気NO測定システムが「発明奨励賞」を、「関東地方発明表彰」では、ラテックス凝集法によるTAT測定試薬が「発明奨励賞」を、「近畿地方発明表彰」では、適温配膳車の意匠が「発明奨励賞」を受賞しました。
地方発明表彰は、大正10年に開始された表彰事業で、全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地域において優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰するものです。尚、本発明表彰においてPHCが表彰されるのは、昨年度の低身長患児における成長ホルモン治療のための電動式成長ホルモン製剤注射器の意匠、及び治療薬やワクチンの研究開発などで使用される、バイオハザード対策用キャビネットの静音化技術に続き、本年度で8年連続となります。
本発明の詳細については、以下をご確認ください。
■四国地方発明表彰・発明奨励賞
発明名称 |
「呼気NO測定システム」(特許登録第6290197号) |
受賞者 |
PHC株式会社 診断薬事業部 副事業部長 兵庫 淳一
PHC株式会社 診断薬事業部 技術統括部 大空 剛
PHC株式会社 診断薬事業部 技術統括部 川本 徹
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*受賞者に関する情報は、申請日時点の情報に基づいて記載しています。
呼気NO測定システムは、呼気中の一酸化窒素(NO)濃度を測定し、ぜんそくに関する診断サポートや治療経過のモニタリングを行う医療機器です。ぜんそく症状の発現時に慢性的な気道炎症が続くと、呼気中に含まれるNO濃度が上昇するため、呼気NOの濃度がバイオマーカーとして重要な役割であると認知されています。当社が開発した小型の呼気NOシステムは、患者さんが痛みや苦しさを伴わず、簡便に測定が可能です。また、吹き込まれた呼気を機器内の流量調整器が正確で安定した流量に制御し、患者さんの体に負担なく正確な呼気NO濃度の測定を実現します。
本発明は、呼気NO測定システムにおいて、測定前に、流入側と流出側の圧力センサが正確に動作し、同じ圧力に対して均等に出力を調整するオフセット調整技術に関するもので、高精度の呼気NOシステムにとって重要な技術です。
■関東地方発明表彰・発明奨励賞
発明名称 |
「ラテックス凝集法によるTAT測定試薬」(特許登録第6594641号) |
受賞者 |
株式会社LSIメディエンス 診断薬事業本部 事業統括部 技術開発部 吉田 竜也 株式会社LSIメディエンス 診断薬事業本部 診断薬生産・R&Dセンター 製品開発部 楊 宇航 |
*受賞者に関する情報は、申請日時点の情報に基づいて記載しています。公表時は、PHC 診断薬事業部への事業再編移管に伴い転籍済みです。
トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT)は血液凝固が進行するときに血液中に産生されるタンパク質複合体で、血液中のTATの定量は播種性血管内凝固症候群(DIC)等の診断補助にとって有用です。現在主流のTAT定量法は、いずれも固相・液相分離(B/F分離)が必要な測定法で、煩雑な洗浄作業を伴う用手法や専用機器が必要なため、より簡便な測定法が求められていました。
「ラテックス凝集法によるTAT測定試薬」は、測定にB/F分離を必要としないため、汎用の血液凝固測定装置や自動分析装置でTATの測定を可能とします。従来主流であったELISA法や化学発光酵素免疫測定法などの測定法と比べて測定に要する時間が短縮され、turn-around time(検査受付から報告までの時間)の短縮に寄与することで、検査コストの改善や早期に治療を開始できることが期待されます。
■近畿地方発明表彰・発明奨励賞
発明名称 |
「適温配膳車(意匠)」(意匠登録第1623371号) |
受賞者 |
PHC株式会社 バイオメディカ事業部 商品戦略部 由喜門 弘次 |
*受賞者に関する情報は、申請日時点の情報に基づいて記載しています。
適温配膳車は、温かい料理と冷たい料理をそれぞれ適温に保ちながら、同時に運搬できる配膳カートです。入院患者さんや福祉施設で生活する高齢者に、出来立ての美味しさを損なわずに食事を提供することを目的として1995年に開発、販売を開始しました。
最新機種である「デリカートGXシリーズ(*4)」は、優れた保温力及び保冷力を備えているだけでなく、曲面を多用した丸みのある造形に淡い色調の塗装を施すことで、患者さんや高齢者に安心感を与える工夫を凝らしています。また、本体正面の下部にバンパーを設置し、その中央部にへこみを加えることで、障害物から製品を保護するだけでなく、走行中に使用者のかかとがバンパーに接触して走行操作に支障をきたさないよう、安全面にも配慮しました。本意匠を通じて、安全かつ安心な給食事業を推進し、医療や福祉の現場への貢献を目指しています。
(*1) https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R5/jusho_sikoku/index.html
(*2) https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R5/jusho_kanto/index.html
(*3) https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R5/jusho_kinki/index.html
(*4) www.phchd.com/jp/biomedical/food-catering/delicart-gxseries/delicart-gx
<PHC株式会社について>
1969年に設立されたPHC株式会社は、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行い、グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)の日本における事業子会社です。PHC株式会社は、医療機器や診断薬、治療モダリティの開発を支援する研究・医療支援機器などを提供し、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し豊かな社会づくりに貢献することを経営理念として、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。
www.phchd.com/jp/phc
お問い合わせ先
PHC株式会社
電話:03-6778-5311
E-mail:phc-pr@gg.phchd.com
以 上