世界でさらに存在感を大きくし、
多くの価値を提供していきます。

PHC株式会社は世界シェア2位などの製品群を持ち、世界の約110の国と地域に展開。特に、事業ブランド「PHCbi」を掲げるバイオメディカ事業部は、数多くの製薬企業、バイオテック企業、大学、研究機関などに製品を提供しています。今回は実際にグローバルに活躍している4名に「なぜPHCバイオメディカ事業部は世界で戦えるのか」「PHCバイオメディカ事業部の今後の世界での挑戦は何か」などを聞きました。

PROFILE

R.T
R.T
PHC Corporation of North America 出向
Senior Director of Cell and Therapy Business Development

総合電機メーカーに入社し、遺伝子診断技術やドラッグスクリーニング技術の研究開発に従事した後、グループ内関連会社の細胞医薬品受託開発製造事業(CDMO)の立ち上げに参画。2021年にPHCに転職。転職の決め手はPHCが細胞遺伝子治療分野(CGT分野)への参入を検討していたから。医薬品開発製造受託機関(CDMO)での経験を生かしてCGT関連の新規事業を立ち上げたいと考えた。現在は新規CGT事業の事業計画の策定、マーケティング活動、事業開発活動などを担当。

M.K
M.K
バイオメディカ事業部マーケティング部
部長

入社以来、OEM営業、マーケティング本部企画などを経験。2015年よりPHCのバイオメディカ事業部事業企画課長、2017年より欧州販売子会社へ5年間出向、経営企画担当役員を担当。現在はマーケティング部で海外販売子会社の経営支援、グローバルマーケティング、新規事業推進を統括。

T.K
T.K
PHC Corporation of North America出向
Director

入社以来、海外営業やアメリカ駐在、商品企画などを経験。担当領域もライフサイエンス分野で、「グローバル×バイオメディカル」のプロフェッショナルとしてのキャリアを築いてきた。2017年からは東京オフィスでグローバルマーケティングを担当し、「PHCbi」の立ち上げにも参加。現在はPHC Corporation of North America(PHCNA)に出向し、事業企画や経営管理を担当。

Y.T
Y.T
PHC Corporation of North America出向
Planning Analyst

入社以来、バイオメディカ事業に従事。国内営業を経験後、海外営業に異動し欧州地域の販売子会社担当、グローバル製薬企業へのマーケティング、国内向けデジタルマーケティングなど、さまざまなポジションで活躍。現在はT.Kと同じくPHCNAに出向し、事業企画や経営管理を担当。

世界におけるPHCの存在感は?

T.K

超低温フリーザーやCO2インキュベーターなどの製品群は、「PHCbiブランド」として市場に深く浸透しています。製品を世界に提供しはじめた初期の頃は、価格で勝負することも多かったですが、努力を重ね今では「優れた品質と信頼性、きめ細やかなサービス体制」で高く評価されています。何十年も前に販売した製品が、現在でも現役で使用されていることがあるくらいです。

Y.T

私も実際にお客様と向き合う中で、「技術力の高さ」は海外でも通用している感覚があります。「一度当社の製品を使用いただければ、そこからは長く使用していただいているな」という実感があります。特にPHCの特徴は製品の開発を行う上で、品質マネジメントシステム(※1)を導入している点でしょうか。これがあるからこそ、確かな技術力が備わった製品を生み出せるメリットがあります。

(※1)品質向上活動:詳細はこちら

M.K

近年、コロナ禍をきっかけとして当社の認知度がさらに浸透した面もありますね。mRNAワクチンの開発・製造・流通保管において我々の超低温フリーザーを非常に多く使用頂き、これまでお取引がなかったお客様にも「PHC」という会社や「PHCbi」という事業ブランドをより認知頂けるようになりました。今後、わたしたちが注力していくCGT分野においてはブランド認知を更に高めていく必要があります。

R.T

おっしゃる通りですね。私は2021年に転職してきましたが、やはり既存の製品群は強いブランド力を持っている印象を受けました。しかし、CGT分野はこれからでブランドアウェアネスを加速するためのマーケティング施策の強化が必要です。これまで先人が築いてきたPHCの技術基盤、顧客基盤、品質基盤を活用しながら、世界における存在感を大きくしていきたいです。

世界で戦えている理由は?

Y.T

事業ポートフォリオがいい意味でコンパクトな点です。訴求すべき製品群、ターゲットとすべきセグメントが明確な点がバイオメディカ事業部の強みだと感じます。セグメントが絞られているからこそ、一つ一つの製品に力を注ぎ、他社にはない魅力的な機能を製品ごとに備えることができます。そして、1社、1社のお客様との繋がりを強くしていけるメリットがあります。

R.T

技術面の強さはPHCの凄さですね。例えば、今手掛けているCGT分野の製品も「細胞培養液中の代謝関連物質(グルコース、乳酸)の連続モニタリングの技術」が差別化優位技術です。こういった他社ではなかなか追随することの難しい高い技術力は世界で戦っていく上で欠かせないと感じます。あとは、「どう浸透させていくか」というプロモーションでしょうか。

T.K

医療やライフサイエンスという、今後も成長が期待される市場において、長年に渡ってご愛顧頂いており、それを支える販売網やネットワークが世界中に確立されている点が優位性ですね。そのおかげで、お客様が購入機器を選定される際に、PHCbiブランドを候補に挙げて頂くことが多いという感触があります。だからこそお客様の声や動向には常にアンテナを張り続けています。

M.K

世界各地での大学・研究機関や製薬企業の製造・開発拠点の新増設などの情報をいち早く収集するために、お客様やビジネスパートナーとの信頼関係・コミュニケーションが重要です。その際にPHCは「製品力(つくりこみ力)」を土台として、性能・品質の高さやライフサイクルコストなどの優位性を訴求し競合他社との競争に挑んでいます。

現在の世界での注力領域は?

R.T

私が今手掛けているCGT分野の製品は今からまさに市場へと出ていくものです。PHCbiブランドの浸透と将来の受注を目的として、世界各地でユーザーデモを実施しています。デモを通して大学や研究機関、バイオテック企業、製薬企業などに当社の製品を使っていただき、サイエンティフィックな新発見からCGT製剤の研究開発や製造プロセス開発に役立てていただくことはもちろんのこと、KOL(キーオピニオンリーダー)へのアプローチを通じて広くPHCbiブランドの浸透を図っていくことが大切だと考えています。

T.K

KOLへのアプローチはとても重要ですね。CGT分野の製品の浸透は会社の経営にも大きなインパクトがあるので活動を加速させていきます。そして、既存の製品においても「製薬・バイオテック企業への販売拡大」や、そのための施策の一つとして「強固な海外販売網を生かした地域間連携によるグローバル製薬企業へのトータルソリューションの提供」が欠かせません。

Y.T

グローバル製薬企業への価値提供の仕方は色々と模索する必要があります。大きな影響力を持つ企業が多いのでPHCも「PHCの各地域間の関係の強化」「地域における自律的な体制の強化」などをしっかりと整えた上で、今以上の価値を提供できるといいですね。

M.K

バイオメディカ事業部の海外販売比率は70%を超えており、地域それぞれの市場特性・ニーズがあります。国内だけでなく、よりグローバルにお客様の声を聞いて、製品の改善・開発に活かしていく体制の構築が必要だと考えています。

今後の世界での戦略は?

Y.T

PHC全体だと各地域の要望に特化した製品ラインナップの拡充でしょうか。自社開発製品の他、他社製品を買い入れるなど、新しい販売スタイルの展開も必要になってくると思います。変化の激しい時代に迅速に行うための商品企画の前線化も視野にいれ、変革を起こしていきたいです。

M.K

製品面で言うと、CGT分野でソリューション提供できる製品・サービスの創出・展開です。現在開発中の製品を皮切りに、この新しいモダリティの進化・普及にグローバルに貢献していくことが使命だと思っています。そのために、PHCの地域間のコミュニケーション・連携を強化し、「グローバルPHCbi」として提供出来る価値を訴求していきます。

R.T

2024年に「ライブセル代謝分析装置(LiCellMo)」、その後に自動培養装置を上市予定です。最大市場である北米を中心に、グローバルマーケットへの展開を図っていきます。そのために、KOL開拓活動や事業開発活動を加速させます。

T.K

私はやはり「人財」でしょうか。世界でさらに存在感を大きくし、提供できる価値を増やすためにも、国内外の優秀なグローバル人財を確保、育成していくことが欠かせません。そのために各国ごとの多様な採用環境やニーズに合致した人事戦略を、PHCNAをはじめとする海外拠点が主体となって実施していくことが、中長期の成長に向けて大切だと考えています。