コニカミノルタ×WEMEXの連携で二度手間をなくし、業務効率化を実現
電子カルテを導入したけれど、さまざまな検査機器とパソコンの画面とを行ったり来たりで手間がかかる……そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。機器やシステムを単体で導入しても、業務効率の改善という観点で十分な成果をあげることは難しく、かえって手間が増えるばかり、ということも多々あります。一方で、さまざまな機器を連携させてはみたものの、運用が煩雑になってしまいうまく使いこなせない、という声も聞かれます。
そこで弊社は先日、画像診断ソリューションを中心に医療のデジタル化・ネットワーク化を推進するコニカミノルタジャパン株式会社より、小林 正憲氏を講師にお迎えし、CR/DR/超音波/内視鏡撮影機器と電子カルテの連携等による業務効率の改善についてご説明するセミナーを開催しました。本稿では、その内容をご紹介します。
[セミナー日時:2021年1月27日(水)※Web会議ツール(Zoom)での配信]
クリニックにおけるシステム連携の現在
クリニックのデジタル化・ネットワーク化は、昨今ますます勢いを増しています。今後もその流れはいっそう加速していくとみられる一方で、こうした流れに伴うシステム間の連携の利点を十分に活用できていないクリニックが多いのも実情です。モダリティ(検査機器)やPACSを連携させてはみたものの、各機器にPC端末があることで操作や管理が煩雑になり、業務が効率化したようには感じられない……という悩みは、多くのクリニックに共通するものかもしれません。電子カルテとの患者属性(患者IDや氏名など)の連携やPACS連携といった一般的な連携は、コニカミノルタ製品を導入しているクリニックにおいて、すでに大多数のクリニックで対応済みであると言います。こうしたシステム連携は、クリニックのデジタル化においては今やクリアすべき大前提となりつつあり、業務効率化の効果を最大限に引き出すためには、ここから一歩踏み込んだ「プラスアルファの連携」が必要だと小林氏は語ります。このプラスアルファの連携として今回ご紹介するのが、電子カルテとモダリティ間での「サムネイル添付」、「サムネイル画像連携」、「X線オーダー連携」、「超音波患者情報連携」の4つの項目です。このような連携を実現できる電子カルテメーカーは多くないため、あまり浸透していないのが現状です。本セミナーが、クリニック全体を効率化するための課題について、見直すきっかけとなれば幸いです。
コニカミノルタの画像診断ソリューションでは、X線、超音波、PACSを中心とした連携構築において、運用までを含めたワークフロー提案を行うことを強みとしてきました。さらにはこうしたモダリティやPACSだけの連携にとどまらず、上位の電子カルテを含めたトータルシステムでの連携にまで提案領域を拡大しています。これにより、「プラスアルファの連携」を強力に推進しているのです。
電子カルテへの撮影画像添付における課題
クリニックのシステム連携をめぐる昨今の状況における大きなトピックの1つとして、令和2年度の診療報酬改定により、超音波検査の画像を診療録に添付するよう要件が新設されたことが挙げられます。この対応策のひとつが、超音波診断装置と電子カルテとの連携ですが、この実現にあたってはいくつかの課題が存在します。電子カルテは一般的には画像を保存することを前提としたものではないため、これに対応できるだけの十分な容量を備えていません。また、撮影画像をカルテ2号紙に添付するだけでは、結局、画像を確認するたびにPACSの起動や操作が必要となります。せっかく連携するなら、この撮影画像を閲覧する手間も削減して効率化を図りたいというご依頼が多くあります。
電子カルテへサムネイル画像を添付しているクリニックにおいても、課題を感じているケースがあります。カルテ2号紙に貼りつけたサムネイル画像をクリックして、PACSに該当の画像を表示させたい…と思ったことはありませんか。サムネイル画像とPACSのシステム連携を実現することは、従来の一般的な電子カルテでは困難でした。PACS画像の特定には各種情報が必要となりますが(図1<必要な情報>を参照)、サムネイル画像のJPEGにはこれらの情報がないためです。
他にも、内視鏡検査などの撮影画像が40枚以上に及ぶ検査の場合、指定の1枚をサムネイル画像として貼り付けできないことで悩まれているクリニックもあります。できたとしても、サムネイルに貼りつけるために適切な画像を数十枚のなかから選定するのは、手間も時間もかかります。
Friejoinが実現する「プラスアルファの連携」
こうした課題を解決するのが、電子カルテ、PACS、モダリティの包括的な連携を実現するクリニック連携ソリューション、「friejoin」です。WEMEXの電子カルテシステムである「Medicom-HRV」または「Medicom-HRf」、X線・超音波・内視鏡の各種モダリティ、およびPACS(対応機種は図2を参照)と連携させることで、モダリティで撮影した画像をサムネイルとして電子カルテに自動的に添付します。このサムネイルをクリックすることで、PACSで該当の検査画像を表示させることができるのです。「サムネイルの添付」と「サムネイル画像連携」という2つの「プラスアルファの連携」を実現します。
この2つの連携機能が、先に挙げた課題をどのように解決していくのかを見てみましょう。friejoinは、電子カルテに検査で撮影された画像をすべて取り込むのではなく、前述の通りサムネイル画像のみを添付します。このとき、サムネイルのJPEG画像からPACS側の画像を特定するために必要となる各種情報をテキストファイルとして付帯させるのがポイントです。こうして電子カルテ上のサムネイルとPACSの画像が紐付けられることで、サムネイルをクリックするだけで、検査で撮影された全画像がPACSで展開できるようになるのです。電子カルテへの添付をサムネイルのみとするため、保存容量の圧迫を最小限に抑えるうえでも有効です。使い慣れたPACSで画像を参照できるため、運用に変更が生じることもなく、業務効率の低下を招くリスクもありません。従来はX線のみであったサムネイル画像連携についても、前述のとおり、超音波・内視鏡への対応も実現しており、クリニックにおける各種のニーズに応えられる仕様となっています。
このように各システムが連携することで、それぞれの機器にIDを都度入力する手間などが省略でき、患者さんの待ち時間の短縮にも寄与します。PACSでは今回・前回の検査画像を並べて表示することも可能で、経過観察にも役立ち、患者さんにも分かりやすく説明することができます。クリニック側の業務効率を改善できるだけでなく、患者さんの満足度を向上させるメリットも見込めるのです。