全国の調剤薬局勤務の薬剤師1,198名、調剤薬局チェーン勤務の薬剤師92名(計1,290名)を対象に、電子処方箋にまつわる知識の理解度についてリサーチを実施いたしました。
電子処方箋にまつわる知識の理解度調査
この記事は電子処方箋導入に必要なオンライン資格確認認知率についての調査結果です。また、日本政府の推進するデータヘルス改革に対する課題や期待することについてもお聞きしました。
今回の調査結果では、オンライン資格確認に対する認知度は52%でした。認知度とほぼ同じ割合で、すでに導入または導入を検討していると回答がありました。
特に調剤薬局チェーンは導入への意識が高く、今後も大規模チェーンの牽引が期待されます。
オンライン資格確認の認知・導入度
全国の薬剤師に、オンライン資格確認の認知度及び導入率についてお聞きしました。
過半数がオンライン資格確認について認知しており、また導入に関しても半数近くがすでに導入を決定していました。
また、オンライン資格確認を運用開始済み、運用開始前、導入待ちと回答した薬剤師に対して、導入理由についてもお聞きしました。
回答数が最も多かったのは、国の政策上、いずれ必要になるということでした。
対して、オンライン資格確認導入を検討中または導入する気がないと回答した薬剤師にも理由をお聞きしました。
回答数が最も多かったのは、もう少し様子を見てから導入したい、知らない、内容がよくわからないというものでした。オンライン資格確認への理解不足が解消したり、周囲の導入が進めば、後を追った導入に期待できることが読み取れました。
さらに、オンライン資格確認を運用開始済み、運用開始前、導入待ちと回答した薬剤師(596名)に対して、導入で困ったことが起きているかお聞きしました。運用・ベンダーに対する不安や不満が10%程度見受けられましたが、34%以上が困ったことは起きていないと回答しました。
データヘルス改革について
全国の薬剤師にデータヘルス改革について、薬剤師の医療における役割についてお聞きしました。適切な医療の提供、患者満足度の向上という回答が多く占めました。
患者さんに喜ばれたい、役に立ちたいというよりよい医療提供に期待する声が寄せられました。
また、ヘルスデータを用いた医療・診療で重要だと思う点についてお聞きしました。
回答数が最多だったものは、「正しいデータ入力」でした。次いで「分かりやすいデータの示し方」、「薬剤師やコメディカルのデータに対する知識」という回答が多くありました。正確なデータをもとに適切な医療を実施し、患者に示したい、そのためにデータに関する自己研鑽が重要だと考えていることがわかりました。
さらに、データ医療推進に必要なものは何かお聞きしました。最も多かった回答は、「電子お薬手帳のような、患者のデータをしっかり見られるサービスの導入」でした。次いで多かった回答は他職種、他施設とのデータ連携でした。紙ベースで拾いきれなかった情報をデータ化することによる多角的な患者さんサポートを期待する声が寄せられました。