電子処方箋にまつわる知識の理解度調査
この記事は電子処方箋導入に必要なオンライン資格確認とHPKIカードの認知率についての調査結果です。また、日本政府の推進するデータヘルス改革への関心度を始めとしたIT化への積極度についてもお聞きしました。
今回の調査結果では、オンライン資格確認に対する認知度は60%でした。認知度は上がってきているものの、導入率は30%と連動していません。明確なメリットの提示が、今後の導入率上昇のカギとなるでしょう。
年代が若くなるにつれオンライン資格確認やデータヘルス改革への関心度は高かったので、徐々に普及していく将来が展望できる調査結果となりました。
オンライン資格確認の認知・導入度
開業医は60%近くがオンライン資格確認を知っており、勤務医は20%近くが知っているという結果になりました。開業医は自身が機器導入決定権を持っているため、関心度の高さが伺えた結果でした。勤務医は、勤務先の病院からの情報提供によって知ることが多いので、認知がまだ高くないことがわかりました。
また、オンライン資格確認を運用開始済みかお聞きしました。開業医に関しては実際の導入率は30%と低い結果にはなりましたが、運用検討中を合わせると50%近い結果となり、関心は低くないことがわかりました。
さらに、年代別に開業医へオンライン資格確認を運用開始済みかお聞きしました。30代で導入済み・導入する意向があると答えたのは91%で、オンライン資格確認の必要性を感じている層もいることがわかりました。
HPKIカード保有率
HPKIカードの保有率についてお聞きしたところ、開業医は11%、勤務医は5%という結果になりました。そもそもHPKIカードを知らないという層が60%を超えており、カードの認知率向上が今後の課題となりそうです。
HPKIカードを保有しない理由についてもお聞きしました。
45%が必要性ないという回答になり、電子処方箋の導入など、必要に迫られれば取得するという結果でした。
データヘルス改革の認知度
開業医、勤務医ともにデータヘルス改革への認知度は低いという結果になりました。
年代別に開業医へデータヘルス改革の認知度をお聞きしました。年代が上がるにつれ認知度は下がるものの、20〜30代は60%以上が認知しており、関心度の高さが伺えました。
データヘルスに求めるものは何かお聞きしました。
データヘルス改革にともなう自らの医療における役割をお聞きしたところ、「患者の履歴を参照して適切な量を心がけること」が25%と最も多い回答になりました。
データヘルス改革によって院内の生産性が上がったり、ミスがなくなったりするなどの効率的なオペレーションが期待されているようです。
IT化の取り組み度合い
開業医・勤務医ともに、IT化の取り組み度合いは半数以上が遅れている、もしくは関心がないと回答しました。純粋に苦手意識があるものと捉え、「IT化は簡単で安心であること」を強調して推進を目指すべきという結果になりました。
IT化への関心が高まれば、電子処方箋への関心も高まると期待できます。