薬局向け

電子処方箋の導入は薬局を効率化させるのか

電子処方箋を導入することで、薬局における患者さんの情報閲覧方法や処方医とのコミュニケーションの取り方に変化がもたらされます。実際どのように薬局の業務を効率化させることができるのでしょうか? その具体的な中身を見ていきましょう。

電子処方箋を受信すると、レセコンの入力はどう変わるのか

薬局が電子処方箋を受信すると、処方医が発行した処方情報を、薬局のレセコンにデータとしてそのまま取り込むことが可能です。よって、従来行っていた紙の処方箋情報の手入力作業がなくなり、調剤業務を効率化できます。また、データとしてそのまま入力されているので、誤入力のリスクを回避でき、調剤過誤防止にも役立ちます。

処方箋がデータ化されることは、紙の調剤済み処方箋のファイリング作業、保管スペースの削減にも繋げられるので、入力による手間の削減効果も合わせると、薬局や薬剤師が対物業務から対人業務への円滑なシフトを期待できます。

電子処方箋では、どんな情報が閲覧できるのか

電子処方箋は、オンライン資格確認システムを基盤として構築され、直近の処方情報・調剤情報を閲覧することができます
オンライン資格確認では、レセプト由来の過去3年分の薬剤情報(閲覧できるまでに10日~40日のタイムラグがあります)を閲覧することができます。
オンライン資格確認等システムと電子処方箋管理サービスは、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会が管理・運営します。

両システムが連携することで、患者さんの同意のもと、来院・来局した全国の医療機関や薬局の薬剤情報、直近の処方情報・調剤情報を、受付した医療機関や薬局で閲覧できます。それらをベースに、処方時あるいは調剤時に、重複投薬・併用禁忌のチェックを速やかに行うことが可能となり、医療の質の向上に繋げることができます。

また今後は、診療情報(手術・移植・透析など)、医療機関名(令和4年夏頃)、健診情報(自治体健診・事業主健診・学校健診)など閲覧できる情報も拡大していく予定なので、より鮮明に患者さん像を捉えることが可能になると予想されます。

電子処方箋では、どんなコミュニケーションが可能なのか

電子処方箋は、「処方医から薬剤師」「薬剤師から処方医」に情報を伝達するコミュニケーションツールとしての役割もあります。双方のコミュニケーションが円滑になることで、時間短縮・誤情報の防止など、コミュニケーションコストの削減にも繋がり、より正確でスムーズな情報共有が可能です。

「処方医から薬剤師」へのコミュニケーションとしては、従来紙の処方箋に記載されていた情報に加え、重複投薬等チェックにかかることを確認した上で処方医が処方箋を発行した情報や、その理由などを伝達することができます

「薬剤師から処方医」へのコミュニケーションとしては、後発医薬品への変更情報を含む調剤結果情報だけでなく、疑義照会結果や処方提案など、処方医に伝えたい事項を円滑に共有できます。薬剤師は、過去の処方・調剤情報を参照したうえで、疑義照会、服薬指導を実施可能です。また、さまざまな情報をデータで入手できるので、患者さんの情報も確認しやすくなり、より患者さんに寄り添った対話にも繋げられます。

今回は、レセコンの入力方法・コミュニケーションの効率化など、具体的な中身について説明しました。医師と薬剤師のコミュニケーションが円滑になることで、患者さんに提供される医療の質の向上にも繋がります。業務の効率化に向けて、今から動いていきましょう。

※今後の電子処方箋の厚生労働省による仕様の進捗により、内容が変わる場合はございます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋ページ(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html)の内容をもとに、ウィーメックス株式会社で独自に解釈、編集したものです。