令和5年1月の電子処方箋の運用開始に先駆け、令和4年10月末よりモデル事業が開始されました。電子処方箋のモデル事業とはどのようなものなのでしょうか? 今回は電子処方箋モデル事業の目的と概要をご紹介します。
電子処方箋のモデル事業が開始
令和5年1月の電子処方箋の運用開始に向け、厚生労働省医薬・生活衛生局は令和4年10月末よりモデル事業を開始しました。対象地域での先行導入・運用によりシステムや運用面の検証を行うとともに、課題や先進的な取組事例等を収集することを目的としています。また、モデル事業を通じて電子処方箋の更なる活用方策についてもとりまとめる予定です。
モデル事業の内容(4地域で始まる)
モデル事業の開始当初より導入が進められたのは、
1・山形県酒田地域(日本海総合病院、アイン薬局、共創未来あきほ薬局、他)
2・福島県須賀川地域(公立岩瀬病院、さくら薬局、他)、
3・千葉県旭地域(国保旭中央病院、調剤薬局マツモトキヨシ、とまと薬局、日本調剤、毎日薬局、ヤックスドラッグ、他)、
4・広島県安佐地域(安佐市民病院、他)
の4地域です。対象施設は今後追加される可能性があります。
地域を限定したうえで、電子処方箋を先行導入可能な医療機関・薬局を対象に、効果的な服薬指導を実現するため、重複投薬等のチェックをはじめとした電子処方箋の運用面での検証が行われます。また、電子処方箋を活用した先進的な取組や課題、優良事例を収集することにより、電子処方箋の更なる活用方策についてとりまとめる予定です。期間は令和4年10月末より1年間が予定されています。
導入目標と補助金。手厚い補助を受けられる令和5年3月中の導入がおすすめ
厚生労働省は令和4年5月、電子処方箋導入の数値目標として、「令和5年3月末の時点において、全体として、オンライン資格確認等システムを導入した施設の7割程度の導入」を目指すことを示しました。また、「秋口より行うモデル事業等により不断に運用の改善を行い、医療機関や薬局の使いやすさを高めていくことで、導入を更に進め、全体として、オンライン資格確認等システムを導入した施設のうち、令和5年度内に9割程度、令和6年度内に概ね全ての医療機関及び薬局の導入を目標とする」ともしています。「新型コロナウイルス感染症対策などの個別の医療機関や薬局の事情を加味しながら、必要に応じて適宜見直していく」可能性はあるものの、モデル事業によって検証が行われることで、電子処方箋の導入に向けた動きが一層進むものと考えられます。
電子処方箋管理サービス導入に係る費用については補助金制度が用意されていますが、令和5年3月末までであれば、より手厚い補助を受けることができます。早めの導入準備が大切となるでしょう。