クリニック向け

【クリニック向け補助金】
電子処方箋導入に係る費用に対する補助金制度を紹介

「経済財政運営と改革の基本方針2022」(いわゆる「骨太の方針」)において、2023年4月からオンライン資格確認の導入を原則として義務付けることが明記されました。これをきっかけに、電子処方箋の導入もこれまで以上に促進されることが予想されます。そのような中、電子処方箋導入に係る補助金についても、次第に概要が決定されつつあります。今回は、クリニックについての情報を中心に、電子処方箋管理サービス導入に関する補助金制度をご紹介します。

「骨太の方針2022」でのオンライン資格確認に関する言及

「骨太の方針2022」が2022年6月7日に閣議決定されました。本方針においては、「社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進」として、医療・介護分野での技術革新についても触れられています。個人の健康医療情報(健診情報や歩数、血圧等)であるPHR(パーソナルヘルスレコード)の利用推進に向けた改革を着実に進めていくことが謳われ、保険医療機関・薬局を対象に、2023年4月からオンライン資格確認の導入を原則として義務付ける旨が記載されました。導入促進のために、関連する支援等を見直すとも述べられています。電子処方箋を利用する上で必要となるオンライン資格確認の導入が義務化されれば、電子処方箋の導入にもいっそう弾みがつくと予想されます。
そのような中で、電子処方箋管理サービスの導入に係る補助金について、金額等の詳細情報が明らかになりつつあります。

費用負担(補助金)について:初期導入

補助金制度について、詳細は今後決定される予定ですが、補助金額等の情報は現時点ですでに公開されています。
クリニックの場合は、事業額の38.7万円を上限に、その2分の1を補助、すなわち19.4万円が補助金の上限額となります。なお、病床数200床以上の大規模病院では補助金上限額は162.2万円、大規模病院以外の病院では108.6万円となります。
また、新機能(リフィル処方箋/口頭同意による重複投薬等チェック結果閲覧/マイナンバーカードによる電子署名対応/処方箋ID検索)と電子処方箋管理サービスの導入を同時に行った医療機関に対する費用への補助も合わせて実施の場合には、事業額の54.2万円を上限に、その2分の1を補助、すなわち27.1万円が補助金の上限額となります。なお、病床数200床以上の大規模病院では補助金上限額は200.7万円、大規模病院以外の病院では135.3万円となります。

補助対象事業は以下となります。
①基本パッケージ改修費用:電子カルテシステム、レセプト電算化システム等の既存システム改修費用
②接続・周辺機器費用:オンライン資格確認端末の設定作業、医師・薬剤師の資格確認のためのカードリーダー導入費用、カードレス導入費用
③システム適用作業費用:現地システム環境適用のための運用調査・設計、システムセットアップ、運用テスト、運用立ち会い等

なお、消費税分(10%)も補助対象となり、上記の上限額には消費税分が含まれます。
※申請期間等、申請方法につきましては未決定です。

費用負担(補助金)について:初期導入

費用負担(補助金)について:追加機能導入

電子処方箋を導入した医療機関に対し、電子処方箋管理サービスの追加機能(リフィル処方箋、口頭同意による重複投薬等チェック結果閲覧、マイナンバーカードによる電子署名対応、処方箋ID検索等)の導入に必要なシステム改修費用が補助されます。
※申請期間等、申請方法につきましては現時点では未定です。

費用負担(補助金)について:追加機能導入

今回は、電子処方箋導入に係る費用に対してクリニックが利用できる補助金制度についてご紹介しました。今から検討を進めてみてはいかがでしょうか。

出典:
・厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/
・厚生労働省 医療情報化支援基金(電子処方箋)(https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001208233.pdf
・厚生労働省 令和5年度補正予算案の主要施策集(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/23hosei/dl/23hosei_20231110_01.pdf

※今後の電子処方箋の厚生労働省による仕様の進捗により、内容が変わる場合はございます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
電子処方箋ページ(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html)の内容をもとに、ウィーメックス株式会社で独自に解釈、編集したものです。