酒井醫院は、2022年からモデル事業として先駆けて電子処方箋が運用されている山形県酒田市にある医院です。モデル事業の動きに合わせて、同院も2023年2月から電子処方箋のシステムを導入し、運用をスタートしました。今回は地域のかかりつけ医としての立場から見る電子処方箋システムのメリットについて、インタビューいたしました。
いずれは医療の世界もデジタル化されていくと自分の中では思っていて、それにまずは自分がついていかなきゃいけないというのが理由の1つです。また、電子化されることで、薬の重複投与や相互作用が分かるのではないかと思いました。すべてが電子化されていく過渡期にあり、それに少し慣れておこうと思いました。
自分はそれなりの年齢になってきて、新しいことについていくのがしんどくなっているかもしれないですが、そうは言っていられない時代になるので、そこに身を晒しておくことが自分のモチベーションにもなるかなと思っています。また、結果的には患者さんのメリットがあるはずという信念ですね。
私の方では、電子処方箋の流れを事務職員に受け入れてもらえるよう積極的に慣れてもらいました。電子処方箋導入時期の時点で、スタッフにとってもやり方が変わっていくというのは大変だと思い、それを受け入れてもらえるように説明しました。運用を開始する頃には、実際に慣れていってもらいました。ですので、最初の時点で職員との情報共有に関しては十分終わっています。
さらに事務職員とともに患者さんに説明し、電子処方箋を患者さんにも受け入れてもらえるようにしています。
ありました。しかし、それに気づくのはだいぶ後になることが多いです。大事にいたるような事はそんなにはなかったですが。
例えば湿布を処方した場合、別の整形外科で出ているのにもっと欲しいからと、その情報をちゃんと伝えてもらえずに出してしまった場合があります。こちらの情報の取り方に問題があったかもしれないですが、他でもらってないのか尋ねてもちゃんと答えてもらえなかったりします。そういったものはやはり避けていきたいなと思います。特に睡眠薬などは注意しなきゃいけないなと思っています。
ポスターも掲示しましたが、あまり見る人はいないと思うので、基本的には事務職員に言ってもらうことが多いです。そこで分からない場合は私がさらに説明します。
印象としては、手順があまり変わらないのであればやってみようかなという感じです。大きくやり方が変わったり、手順が少し違うだけでも患者さんは嫌がるのですが、それが紙の処方箋とほぼ同じ手順なので、そこは受け入れてもらえるような説明の仕方をすれば大丈夫だと思います。
患者さんはまずやってみようと言ってくれます。
ないですが、事例としては体験してないだけかもしれないし、1軒だけがやってもあまり効果があるものではないので、これから広がっていくのを待つしかないと思います。
処方箋を出した人がすぐ近くの薬局に行く人が多分8割ぐらいでしょうか。残りの方は別の薬局に行くかもしれないので。
そうすると、行った先で電子処方箋を受け入れられる状況じゃなければその人たちは紙の処方箋になる。なので、実際は60%~70%ぐらいの方は電子処方箋だと思います。
特別養護老人ホームや寝たきりの方など、電子化するのが難しい方でも電子処方箋が使えるようになるかという点ですね。