ニュース3月23日(木)
Eprediaと3DHISTECHがハンガリーに「Pathology Innovation Incubator」を設立 ~がん診断における革新的なソリューションの開発・提供を加速~
PHCホールディングス株式会社(本社:東京都港区)傘下のEpredia Holdings Ltd. (本社:米国ニューハンプシャー州、以下「Epredia」)は、このたび、3DHISTECH Ltd.(本社:ハンガリーブダペスト、以下「3DHISTECH」)と、がんや腫瘍病変の診断に関する迅速かつ正確な手法と装置の開発を目的とした「Pathology Innovation Incubator」(*)をハンガリーのブダペストに設立しましたので、お知らせいたします。
Eprediaと3DHISTECHは、病理検査室向けデジタルスライドスキャン技術におけるビジネスパートナーです。両社の協業により設立された「Pathology Innovation Incubator」は、科学的かつ理論的アイデアの実用化により、腫瘍の診断の発展を促進させ、より効果的ながん治療を実現するソリューションの開発と改善を目指しています。また両社は、資金面でのサポートのみならず、病理分野における知識や技術の共有を進めることで「Pathology Innovation Incubator」を支援してまいります。なお、「Pathology Innovation Incubator」の設立は、わずか1年のリードタイムで実現されました。
「Pathology Innovation Incubator」での開発プロジェクトの始動を記念し、2023年3月23日に、ハンガリー外務貿易省でオープニングセレモニーが行われました。本プロジェクトには150億HUF(約400万米ドル)の予算が投じられ、がん診断の基礎となる免疫組織化学(IHC)検査の高度な複合型医療技術ソリューションを開発していきます。そして、個別化診断の有効性を高めることで、患者さまの治療方針の決定支援を目指しています。
Eprediaの社長を務めるSteven Lynumは、次のように述べています。「がん患者数は世界で年々増加し、がん診断がますます複雑化しています。診断ソリューションをさらに進化させることで、患者さまやご家族、そして社会全体に貢献をしていきたいと思います。」
「世界中で、毎秒44ものEpredia製品が、がんの診断に用いられています。私たちは、がん検診や早期診断を向上させることで、がん治療がより効果的になると信じています。現在、患者さまが治療で抱えている課題に対して、実効性と信頼性のある診断ソリューションを開発し、がん診断における選択肢を増やしたいと考えています。これが今回の『Pathology Innovation Incubator』設立の目的です。デジタル病理における3DHISTECH社とのコラボレーションは数年前に遡ります。共同開発により、免疫組織化学の分野で既に、将来を見据えたソリューションを提供し成果をあげています。『Pathology Innovation Incubator』が世界的な科学開発センターとなり、ここハンガリーで、広範な知識と高い専門技術、人財確保の機会を最大限に活用し、今日の科学的知識をがんの初期における迅速な診断に貢献する臨床応用に結びつけることを目指します」とSteven Lynumは続けて語りました。
3DHISTECHの創業者かつCEOのDr. Béla Molnárは、次のように述べています。「3DHISTECHは10年前から米国で成長を遂げ、パートナー企業であるEprediaの病理部門とも数年来にわたって事業に取り組んでいます。この提携関係のもと、私たちは共にデジタル病理におけるプロジェクトの件数を3倍に伸ばしました。そして、『Pathology Innovation Incubator』を設立し、研究の視点に立ったノウハウの共有、当社の専門知識と経験、さらには、業界への知見と人脈をEprediaのリソースと融合させることで世界水準のイノベーション拠点を創りあげていきます。投資家の観点から見れば、3DHISTECHとEprediaの市場での成長性が期待できます。両社はIHCプロジェクトに加え、『Pathology Innovation Incubator』では、日本、米国、ハンガリーの最先端技術、医療、生物学、工学の分野にわたるソリューションを結集し、既に多くの研究開発イノベーションの創出を進めています。」
*病理分野で革新的な事業の創出をサポートする活動名
3DHISTECHについて
3DHISTECHは、1996年、ハンガリーに設立された欧州初のデジタル病理メーカーであり、この業界をリードする企業の一つです。デジタル病理分野のパイオニアとして、デジタルスライドスキャナー、デジタルスライド用ソフトウエア、組織マイクロアレイ機器などを開発・製造し、ヒトの病理診断のみならず、医学・薬学研究、医学教育、獣医病理学、地質学の分野にも貢献しています。
私たちは、人財と資金をデジタル病理分野のソリューション開発に捧げています。こうしたソリューションを、臨床病理医、研究者、大学に提供し、迅速で正確な診断を実現、医学の発見を支援し、その教育を促進することに専心しています。3DHISTECHが長期的に目指しているのは、従来の病理診断のワークフローを完全にデジタル化することです。それにより、今日増大する医療現場のニーズに適応し、診断時間を大幅に短縮するとともに、日常の診断やがん研究の進展に取り組んでいきます。
Epredia Holdings Ltd.について
Eprediaは、病理学・組織学・細胞学の領域で用いる機器・消耗品など、包括的なソリューションのグローバルリーダーです。エプレディアは85年以上にわたって業界のパイオニア、イノベーター、優れた基準の象徴として信頼されてきた主要ブランドであるErie、Menzel、Microm、ShandonおよびRichard Allanを擁し、精緻ながん診断を行うためのソリューションを提供しています。同社は、2019年にPHCホールディングス株式会社によるThermo Fisher Scientific, Incの病理事業の買収によって誕生しました。米国、英国、イタリアおよび中国の主要拠点で、約1,400人の従業員が働いています。Eprediaは、世界中の患者さまのがん診断を強化することで生活を豊かにすることをミッションとしています。
Eprediaおよびその製品に関する詳細情報については、下記のウェブサイトをご覧ください。
URL: www.epredia.com (日本専用サイト: www.phchd.com/jp/epredia)
PHCホールディングス株式会社(PHCグループ)について
PHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)は、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とするグローバルヘルスケア企業です。傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス、エプレディアホールディングス、株式会社LSIメディエンスなどを持ち、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2021年度のグループ連結売上収益は3,405億円、世界125カ国以上のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。
URL: www.phchd.com/jp