蘇生措置支援に遠隔医療システムを活用して病診連携におけるスムーズな情報共有を実現

専門医の早期介入による現場サポートと重篤新生児の予後改善に寄与

周産期・新生児医療
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新生児誕生の瞬間は生涯で最も危険な瞬間であり、人工呼吸や心肺蘇生などの処置が必要な新生児は全体の10%程度に昇ります。新生児医療は、地域の医療施設と周産期医療を行う基幹病院との密な連携が必要不可欠ですが、情報共有に課題がありました。遠隔医療システムの活用により、早急な介入を実現させた取り組みを紹介します。

課題

  • 新生児への早急かつ適切な治療サポート
  • 現場医療従事者と遠隔地の専門医とのリアルタイムでの情報共有
  • 周産期医療における医療従事者の厳しい労働環境

対策

  • 遠隔医療システムを活用した早期介入が可能な体制構築
  • 鮮明な音声と映像による的確な症状の状態把握
  • いつでも、どこからでも接続可能な専門医主導の操作

効果

  • 遠隔からリアルタイムで処置の指導・アドバイスが可能に
  • 現場状況を映像と検査データで視覚的に確認でき、スムーズに共有可能に
  • 現場側の負担軽減と専門医の早急な情報取得により業務効率化

ご活用施設

社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 様

(福岡県久留米市)

電話やテレビ電話では限られる情報共有がクリニックでの適切な処置の課題に

日本では、新生児の55%が病院で、44%が産科クリニックで誕生しています(厚生労働省:平成31年 人口動態統計)。新生児誕生の瞬間は生涯で最も危険な瞬間であり、人工呼吸や心肺蘇生などの処置が必要な新生児は全体の10%程度にものぼります。
このような生命に関わる事態が生じた新生児が産科クリニックで生まれた場合、治療について高度な専門知識と技能を持つ専門医がいる基幹病院へと搬送されます。

基幹病院へ新生児が搬送されてから治療を受けるまでの間に、遠隔地の専門医からクリニック側の医師へ治療に関する手技のアドバイスや対応処置の指示といった早期介入に加え、それらの指示を受けて現場の医師が適切な処置を行うことが、重篤な新生児の症状、および、予後改善には必要不可欠です。

適切かつ速やかな介入を行うにあたり、専門医は新生児の状態を詳細に把握する必要がありますが、クリニックから搬送依頼を受ける際、第一報は電話を使っての情報共有が多く、口頭での情報だけでは新生児の状態がわかりにくいのが実情です。
電話の他に、テレビ電話での情報共有を図る場合もありますが、現場側で撮影する為の人手が取られるといった課題や、専門医が意図する情報をタイムリーに取得出来ないという課題があります。

遠隔医療システムを活用した病診連携におけるスムーズな情報共有

活用による効果

遠隔からリアルタイムで処置の指導・アドバイスが可能に

新生児医療ではいかに速やかに的確な処置を行えるかが新生児の症状と予後に大きく関与します。Teladoc HEALTHの活用による早急な専門医の介入が可能になり、迅速、且つ、適切な指導・アドバイスが可能になりました。

現場状況を映像と検査データで視覚的に確認でき、スムーズに情報共有可能に

クリニックからの一次連絡は電話が多く、症状の重症度判断が難しいことに加え、混乱する現場では会話の聞き取りさえ難しい状況があります。
Teladoc HEALTHを介した接続では、鮮明な現場映像と検査データを早急に、視覚的に把握できるため、処置の指示やアドバイスをスムーズに行える様になりました。

現場側の負担軽減と専門医の早急な情報取得により業務効率化

Teladoc HEALTHでは専門医主導の遠隔操作が可能な為、現場側でカメラを操作する人員が不要となり、現場側の負担軽減に繋がります。専門医も必要な時に自身の見たい映像や情報を得られるため、早急な指導・アドバイスを開始でき、業務効率の改善に繋がります。また、新生児の症状や処置の状況が適確に把握できるため、搬送先の基幹病院での効率的な受け入れ準備が可能になります。現場側の負担軽減と医師の業務効率化は限られていた医療リソースで運営している周産期医療では働き方改革への支援につながるといったご評価もいただきました。

ご利用者様の声

重篤な新生児、特に重度の仮死に対しては、いかに速やかに的確な処置を行えるかが新生児の予後に大きく関与します。Teladoc HEALTHを使ったMedical Controlでは通信安定性、操作性は抜群で、リモート操作も可能な、非常に使いやすい機器となっています。Teladoc HEALTHは医療のリモートワークにも十分使えることが考えられ、医師の働き方改革への対応にも期待が持てます。

聖マリア病院 新生児科主任医長 海野 光昭 先生