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クリニック開業 医師 2020.12.01 公開

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糖尿病内科で失敗しない開業ポイント・年収や開業資金も解説

医療機関の開業と一口に言っても、診療科目によって必要な投資予算や収益モデルも変わってきます。本稿では「糖尿病内科」について開業資金・年収・開業のポイント・事例の記載をします。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討

目 次

1. 糖尿病内科の開業資金・平均年収に関して

(1)開業資金に関して

以下は、糖尿病内科クリニックの投資予算のサンプルです。

糖尿病内科 開業投資予算 サンプル

分 類 項 目 単 価 単位 税 込
不動産 敷金 480,000 6 カ月 2,880,000 2,880,000
礼金 480,000 1 カ月 480,000 528,000
仲介手数料 480,000 1 カ月 480,000 528,000
設計・施工 設計・施工費 500,000 40 20,000,000 22,000,000
看板・サイン 500,000 1 500,000 550,000
医療機器 検査機器(HbA1C測定器、尿検査) 2,500,000 1 2,500,000 2,750,000
その他(滅菌機、AED、血圧計、自動新体重計、その他) 1,000,000 1 1,000,000 1,100,000
システム 電子カルテ 3,000,000 1 3,000,000 3,300,000
WEB予約システム 800,000 1 800,000 880,000
家具・家電 家具・家電(PC含む) 2,500,000 1 2,500,000 2,750,000
採用 採用経費 200,000 1 200,000 220,000
マーケティング ホームページ制作 1,000,000 1 1,000,000 1,100,000
開業前各種広告費用 2,000,000 1 2,000,000 2,200,000
資材等 ロゴマーク作成 100,000 1 100,000 110,000
名刺 50,000 1 50,000 55,000
パンフレット 300,000 1 300,000 330,000
診察券 50,000 1 50,000 55,000
封筒 50,000 1 50,000 55,000
研修時人件費 研修時人件費 100,000 5 500,000 550,000
行政手続き 社労士(労働保険、社会保険) 100,000 1 100,000 110,000
行政書士(開設届関係) 200,000 1 200,000 220,000
その他 雑費(薬品、備品、ユニフォーム等) 1,500,000 1 1,500,000 1,650,000
40,190,000 43,921,000

(C)株式会社G.C FACTORY調べ
※医師会入会費に関しては地域差があるのと、入らない先生もいるので外しています。
※各医療機器の価格はあくまでも参考価格となり、実際は購入のタイミングやメーカーの選定によって変動します。
※機器の括りに関しては特別な意図はありません。

前提条件を「テナント開業」「40坪(坪単価12,000円)」「医師1名」と仮置きして作成をしています。糖尿病内科は、一般内科をどこまで行うかによりますが、血液検査や尿検査の機械を最低限だけそろえて開業する先生もいらっしゃり、その場合はそこまで投資予算として高額にならない診療科目と言えます。一方で、一般内科に力を入れたり生活習慣病の方を見つけるために健診を実施したりすると、医療機器の購入費や内装の面積が大きくなり投資予算も大きくなってきます。

(2)平均年収に関して

次に平均年収に関してです。まず出典の統計データだと糖尿病内科だけでは出ていなく、「内科」の実績だと2,424万円(※1)となります。参考値として記載をしておりますが、もちろん統計値に過ぎず、こちらの統計は令和元年実施のものという点に注意が必要です。2020年は多くの診療科目において新型コロナウイルスの流行で経営実績の悪化が見られました。その点、糖尿病内科にとってももちろん悪影響ではありますが、糖尿病内科のような慢性疾患のクリニックは診療を継続しなくてはならないため、風邪などが収益の柱である一般内科に比べると比較的影響を受けにくい診療科目であるとは言えます。

※1…中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告-令和元年実施- p.149~151

2. 糖尿病内科の開業ポイント

では、各開業工程におけるポイントを記載します。

(1)立地の選定

  • 絶対的な傾向があるわけではないです。もちろん駅の近くや目立つ場所であることに越したことはないです。
  • 連携の病院、競合の診療所、連携の薬局などの位置を確認して選定をすることが重要です。
  • 慢性疾患はマーケティングをしてすぐに集まるというわけではないので、どうやって患者さんを集めるのかという視点をもって物件も選定すること重要です。

(2)内装

イメージ
  • 採尿を行うのでトイレは広めであることが望ましく、共用のトイレが豊富なテナントでも院内に別途トイレを作ることが望ましいです。
  • フットケアなどで足に触れる可能性もあるため、診察室内に手洗い(洗面器)が備わっている必要があります。
  • 採血やバイタルを測るにあたり、処置室は広めに確保します。

(3)採用

  • 看護師と医療事務を採用しているクリニックがほとんどです。
  • 栄養指導を行うために管理栄養士の採用を行うクリニックもあります。 管理栄養士の栄養指導の見込み件数によっては、管理栄養士に医療事務のサポートをしてもらっているクリニックもあります。

(4)マーケティング

  • 通常のマーケティング(看板、チラシ、WEB広告など)は当然重要となります。
  • 初期段階で自ら糖尿病であることを気づくことが少ないため、近隣の病院や診療所との連携をしたり自院で健診を行ったりすることが重要となります。
  • 再診の比率が高く、通院期間も長い診療科目となるので、開業当初は積極的にマーケティングを行い、再診患者さんで予約が埋まってきたタイミングでマーケティングを緩めるという方法が適しています。

3. 実際にうまくいった医師の成功事例

以下に、糖尿病内科として成功されている先生の事例を記載します。

地域のニーズを調べ、開業をしたケース

  • 関東に務めていたA先生
  • 出身も大学も九州であったが、糖尿病内科での開業にあたり今の勤務先の近くでも出身でもなく、東海エリアの郊外で開業
  • 理由として、知人が院長の病院で糖尿病外来がパンクしており、その紹介先になるクリニックが近隣に無いということを聞いて開業地として選定
  • 開業後、想定していた病診連携だけでなく近隣の診療所からも紹介があり、マーケティング費などをかけることなく損益分岐を達成
  • 開放型病床(オープンベッド)を活用して、病院に紹介した人もフォローを実施することで患者さんの安心感も向上することを実現

4.まとめ

糖尿病内科はその疾患の特性上、季節変動などを受けずに診療をすることができます。その一方で、ホームページに掲載をすれば患者さんが集まるということはなく、地域の医療機関との連携や健診の実施など、軌道に乗せるまでは工夫が必要な診療科目となります。

筆者プロフィール

株式会社G.C FACTORY
代表取締役 金子 隆一

https://ma.gcf.co.jp/

コンサルタントとして、医療機関のM&A、開業、運営支援において累計100件以上の実績を有する。クライアントの問題解決に励むと同時に、都内の大規模在宅支援診療所のバックオフィス業務の設計及び実行責任者を兼任している。

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