内科クリニックの場合、かかりつけ医としての定期的なフォローが大切です。例えば、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)であれば、健診等を契機に来院されます。初診時に血液検査を行い、定期的な処方、生活習慣の改善(食事、運動、飲酒、喫煙)を指導していくことになります。
この流れを電子カルテ中心にシステムを組み合わせて構築することになります。内科クリニックのシステム化は、①Web問診、②電子カルテ、③検査管理(院内・院外)、④予約システムの4点を考える必要があります。内科は、総合的に幅広い患者の訴えがあるため、検査が多く、その管理がシステム上重要になります。さらに、問診、診察、検査、検査説明という流れをしっかり意識し、カルテ作成に落とし込むことが大切です。
① 問診業務のデジタル化
内科は、幅広い疾患を担当するため「問診業務」が重要です。問診票を確認しながら、できるだけ多くの情報を診察前に集めておくことがポイントです。問診業務効率化のために、「Web問診」の活用をお勧めしています。Web問診は、患者が来院前に問診を入力することが可能で、患者はゆっくり落ち着いて入力することができます。また、問診の抜け漏れも少なくなります。
② 電子カルテの活用
内科は、様々な患者の訴えを聞き、検査などの結果を素早くカルテに反映させることが大切です。これを実現するためには、医師と検査を担当する看護師や臨床検査技師の連携が重要になります。連携を図るツールは電子カルテであり、電子カルテを全スタッフがしっかり活用できるようにしておくことが大切です。
また、電子カルテを使いこなすためには、診療行為を「セット化」する必要があります。所見、検査(画像)、処置、処方、そして病名のすべてをセット化することで、入力の手間を大幅に削減することが可能です。セットについては、最初に頻出する疾患をいくつかセット化しておき、後から追加・変更を繰り返すことで、より良いセットが作られていきます。また、セットは覚えやすいように名称を付けるとともに、配置についても、疾患ごと、大人、子供といったように区別して配置しておくと探しやすくなります。
③ 検査管理
内科の「検査」は、血液検査(院内・院外)やレントゲン撮影、内視鏡検査、超音波検査、心電図検査などが考えられます。システム化のポイントは、検査結果の取り込みにあります。レントゲンや内視鏡などの画像による検査結果は「画像ファイリングシステム」にまとめ、外注検査を電子カルテで管理するというのが一般的な運用方法です。
④ 予約
内科は、定期的に受診を促すために、診察後に次回の予約をとってリピートさせることが大切になります。多くの内科診療所では、基本は「順番」で、次回の予約は「時間」でと2つのシステムを組み合わせた予約をとることになります。