PHCbi

CASE STUDIES 導入事例

NTT東日本 関東病院 薬剤部(東京)

用途に合わせて機種を使い分け
ワクチン接種にも効率よく対応できる環境づくり

進化し続ける薬剤部 大型超低温フリーザーで地域を守る

東京都品川区五反田にあるNTT東日本 関東病院は、NTTグループの前身である日本電信電話公社の職域病院としてスタートした。現在は一般にも開放され専門的な医療を提供する中核病院として、地域を支えている。

2021年3月にPHCbiの超低温大型フリーザーを導入した同院の薬剤部の加藤敏明部長に、薬剤部の業務やPHCbi製品の活用方法について、話を伺った。

時代とともに変化する薬剤師の仕事

NTT東日本 関東病院の薬剤部の主な業務は薬物療法が有効かつ安全に使用されるように、薬物療法をモニタリングすることだ。現在薬剤部には42名のスタッフが在籍しているが、そのマンパワーは入院患者のケアに、より多く振り分けられている。

「薬剤部では、特に、入院患者さんのベッドサイドでのケアに力を入れています。たとえば、患者さんの入院時に、これまで使用していた薬を確認して、入院治療中の服薬や薬物療法に関して注意事項を説明します。また、病室まで患者さんを訪ねて薬の説明確認指導も行います」薬剤師の仕事は薬の調剤だけではないと加藤氏は説明する。院内で行われる薬物療法をモニタリングし、医師や看護師と話し合い連携しながら、効率的で安全な薬剤の供給システムを作り上げていくことも重要な業務のひとつだ。

「薬剤部に求められる役割は医療の進歩とともに年々変わってきています。期待に応えるためには、薬剤師は自ら学び進化していく必要があります。自分の専門だと言える領域を見つけてそこで活躍していくことも大切です。」業務の見直しも常に行っている。機械の導入などで効率化を図ることができれば、その分、新しい仕事に人の力を注ぐことができるからだ。「PHCbiの注射薬払出システムを導入したのも、業務の効率化が目的です。処方箋ごとに注射薬をセットする作業を機械が正確に行ってくれるので、これまで7~8人で行っていた作業工数がおよそ半減しました。」

845Lの大型超低温フリーザーを選んだ理由

2021年3月には、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を行うために、薬剤部にマイナス80℃まで冷却できるPHCbiの超低温フリーザーが導入された。

ファイザー製のワクチンは、マイナス90℃~マイナス60℃の超低温に保たないと長期間保存できないため、それに対応できるフリーザーが必要だった。

選ばれたのはPHCbiの超低温フリーザー製品の中で最も容量が大きい、845リットルのMDF-DU901VHS1だ。製薬業界やウイルスなどバイオ系の研究機関でよく使われる製品だが、病院に導入されることはめずらしい。大型のフリーザーを導入した理由を、加藤氏は次のように説明する。「大容量のフリーザーを選んだ理由は2つあります。

1つ目の理由は、職域接種のためです。当院は名前の通り、NTT東日本の病院です。関東圏だけでも多くの人がNTT東日本で働いています。 社員への福祉という観点だけでなく、職域接種を当院で行えば、社員の住む地域の負担を減らすことができると考え、大規模に実施しました。

▲「ワクチン接種にも効率よく対応できる環境づくり」の動画を見る

▲MDF-DU901VHS1

2つ目の理由は、地域の基幹病院として、いったん大量のワクチンを受け取って、そのあとに地域の医療機関へ振り分けるという役割を担ったからです」
多いときで1日に約800人分のワクチンの準備を行った。 ワクチンは温度管理が重要なため、解凍から接種までスムーズに行えるよう、他職種とも協力しあい、綿密なプランを立てて実施した。 ピーク時には薬剤部内でも3人がかりの大作業で、845リットルの庫内にワクチンを入れた箱がぎっしりと詰まっていたという。 超低温フリーザーから取り出したファイザー製ワクチンは、PHCbiの薬用保冷庫か室温で解凍される。

また、マイナス20℃±5℃で冷凍保管するモデルナ製ワクチンは、以前から使用しているPHCbiのメディカルフリーザー(MDF-U339)で保管された。 PHCbiの製品は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種にどのような貢献をしたのだろうか。

「大型の超低温フリーザーの導入は初めてでしたが、これまで使っていたフリーザーもPHC製だったため、使い勝手が似ていて、スムーズに使用できました。 扉を開けると庫内が小部屋に分かれ、それぞれに内扉がついているのは便利ですね。他の小部屋の温度を上げることなく、必要な分だけを取り出せます。」

さらに加藤氏は続ける。

「不具合が起きなかった点もよかったです。今回一番気をつけるべきは温度管理でした。 ニュースなどで、薬用保冷庫の故障でワクチンが使用できなくなり廃棄されたという話も聞きましたが、当院ではそのようなトラブルは起こりませんでした。 解凍から接種まで、短時間のうちにスムーズな対応ができたのはとてもよかったです。
病棟から外来までPHCbiの薬用保冷庫やフリーザーが多く導入されていることから分かるように、歴史あるPHC製品を信頼しています。
サポート体制も整っていて、万が一、何かあっても、即座にメンテナンスに対応してもらえる点も安心です。」

▲写真内の機器は左から、
MDF-DU901VHS1、MDF-U339、MPR-514


より厳密な温度管理が求められる薬剤分野

今後、超低温フリーザーが必要な薬剤は、新型コロナウイルス感染症ワクチン以外にも出てくるだろうと加藤氏は語る。
「これからのことを考えても、超低温大型のフリーザーを導入してよかったと考えています。

また、フリーザーだけでなく、薬用保冷庫の需要も増えています。冷所保存が必要な薬剤が多くなってきたからです。
たとえば、抗体製剤です。抗がん剤だけでなく、皮膚や消化器の疾患でも使われるようになってきました。PHCbiの薬用保冷庫はサイズも扉のタイプも複数あって、設置場所に合わせて選べるので使いやすいです。これまで以上に薬剤の温度管理が重要になってきますので、古くから使っている保冷庫と新しく導入した保冷庫を一緒に一括して温度をモニタリングできるようなシステムがあれば、さらにありがたいですね」

今後は薬剤師が全病棟に常駐することで、患者にも病院にも利益のある適切な薬物療法を行うことを目指す。
また、手術室や救急医療の現場に業務を展開していくことも加藤氏は考えている。

「これからは安全性の向上がさらに求められます。最先端の技術を使って、そうしたニーズに対応していく。機械が得意なところは機械を上手に使い、薬剤師は薬剤師にしかできないことに集中させたいと考えています」こうした薬剤業務の効率化に一役買っているPHC製品。進化を止めないという、その言葉のとおり、薬剤部の活躍の場はこれからも広がり続けていく。

納入先

NTT東日本 関東病院
〒141-8625 東京都品川区東五反田5丁目9-22

納入機器

・MDF-DU901VHS1 × 1 台
・MDF-U339 × 1 台
・MPR-514 × 9 台
・MIR-254 × 1 台
・MPR-S313 × 2 台
・注射薬払出システム × 1 台
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